ハイフェッツの華麗な音に酔いしれます
★★★★★
ハイフェッツの音は弱音部での独特のたっぷりとした歌わせかたに魅力を感じます。現在のヴァイオリニストですと、もっとかっちりと輪郭の明瞭な表現で迫ってくる人は沢山いるかと思います。ハイフェッツの目指した音楽は、そうした力づくの表現ではなくロマンチシズムたっぷりのものと感じます。
協奏曲の伴奏はライナー指揮のシカゴとミュンシュ指揮のボストンいうことで、オーケストラはきっちりと旋律をきざんでソリストの表情を浮き立たせることに徹し、クライマックスではオケも良く鳴っていることを感じさせます。
録音はやや古いですが、アナログの良さをのこした素敵なCDで聞き終わった後に甘い幸福感が耳に心地よく残ります。