ゲンロン5 幽霊的身体
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すべてが記号に覆われた現代社会で身体になにができるのか?
利賀村で開催された3日間のシンポジウムを完全記録
フレドリック・ジェイムソン、ヴァレリー・ポドロガら8人の知識人が
1990年のユーゴスラビアで行ったセミナーを振り返る座談会「ユートピアと弁証法」を本邦初紹介
【目次】
批評とは幽霊を見ることである 東浩紀
■特集 幽霊的身体
◯利賀セミナー
[導入]幽霊になるための三日間 東浩紀
[共同討議1]記号から触覚へ 梅沢和木+大澤真幸+金森穣+佐々木敦+東浩紀
[インタビュー]人間は足から考える 鈴木忠志 聞き手=大澤真幸+東浩紀
[共同討議2]演劇の起源と幽霊の条件 大澤真幸+佐々木敦+東浩紀
[コラム]劇作ワークショップという名の合意形成訓練 高間響
◯ニッポンの演劇
[対談]演劇とは半々である 飴屋法水+佐々木敦
[コラム]「チェルフィッチュ以後」以後のニッポンの演劇 佐々木敦
[解説]ニッポンの演劇とは 上田洋子
◯論考
虚体、死体、そして〈外〉へーー二一世紀のダンスの理念に向けて 鴻英良
幽霊としての歌舞伎 木ノ下裕一
悪霊・崇高・身体ーー上田秋成と一八世紀のパラダイム 福嶋亮大
「顔」に憑く幽霊たちーー映像文化と幽霊的なもの 渡邉大輔
■特別掲載
[共同討議]ユートピアと弁証法 ヴァレリー・ポドロガ+フレドリック・ジェイムソン+ ウラジーミル・ミロノフ+エレーナ・ペトロフスカヤ+オレグ・アロンソン+ アンドレイ・パラモノフ+ジョナサン・フラットリー+ピーター・フィッティング 訳│上田洋子 解題│乗松亨平
■連載
[随筆]新しい目の旅立ち[第2回] プラープダー・ユン
[論考]他の平面論[第4回] 黒瀬陽平
[論考]独立国家論[第4回] 速水健朗
[論考]ダークツーリズム入門[第12回] 井出明
[コラム]福冨渉/安天/辻田真佐憲/市川真人/上田洋子
■English
Translations and Abstracts
2016年晩夏、鈴木忠志 氏率いる劇団SCOTの本拠地として知られる富山県利賀芸術公園において、ゲンロンは3日間の演劇セミナー/ワークショップを開催しました。講師には鈴木氏をはじめ、平田オリザ 、大澤真幸 、佐々木敦 、舞踊家の金森穣 、美術家の梅沢和木 各氏を迎え、40名の多様な参加者が3日間寝食をともにしながら「幽霊」というひとつのキーワードのもと、シンポジウムや劇作ワークショップに取り組みました。
本特集は、そのセミナーの記録を中心とし、「幽霊的身体」という特集テーマに添って寄せられた各分野の気鋭の書き手による論考を含む全体が、身体や演劇、映像、あるいは文学を語るものであると同時に、現代社会に潜む現実と非現実、存在と非存在、見えるものと見えないもの、生者と死者といった、分かたれたものの「あいだ」にある幽霊の問題を、様々に変奏する重厚な内容となっています。舞台芸術ファン必携の挑戦的特集です。