ロックとはカチカチになった××××である
★★★★★
花村萬月の「俺のロック・ステディ」を読了。作者の個人的なロック論になっています。人の家にいったらレコード棚と本棚を見るのが好きです。見ればその人のことが大体わかります。本書についても作者のレコード棚(ほんの一部)を見せていただいた気分です。で信用できるなこの人は、と思った次第であります。
本当はブルースの専門家だそうですが、ロックについても熱い想いが十分に伝わってくる良書です。普通のガイドブックとは違う、その人の思いが詰まったガイドブックです。だから読んでいても「読み物」としてちゃんと読めます。図鑑のような作りではありません。
今年厄年の私ですが、まだまだロックを聞き続けています。これからもきっと聞き続けていくでしょう。そのときには作者のような立ち居地で聞き続けて行きたいものです。
入門書じゃないでしょう?!
★★★★☆
ブルースロックやブリティッシュロックは苦手な分野なので、新鮮な興味を持って読みました。
美辞麗句を並べ立てた、ありきたりな「名盤選」を濫発する最近の音楽誌には、うんざりしているので、
偏った内容だとは思いますが、その率直なコメントに説得力を感じます。
面白かったのは、プログレは演奏の長いポップスと喝破した上で、フロイドの「原子心母」の子供
だましのひどさや、クリムゾンは黒人音楽のできない白人バンドの成れの果ての一つだ言ってのける
箇所で、こんなひどいコメントを愛情たっぷりにできる花村氏に感心します。
総括の章は良かったです! 音楽にこだわる人間というのは、何かに囚われている人なんですね。
偏よってこそロック!
★★★★★
ちょっと氏は先輩だけど
同世代のロック小僧として楽しく読みました。
理屈で解説できる筈もないロックを俯瞰して語ろうとすると
どうしても味気のないニュートラルな参考書になりがちですが
花村氏のこの評論は文体自体がロックしているのがさすが。
ほめ言葉ばかりでは無く
作品によってはばっさり切り捨てている視点が心地よい。
海外(本場)からの情報が乏しかったあの頃の僕たちは
当時の氏と同様、ロックの本質をダイレクトに耳と身体で吸収していたのかもしれない。
偏向こそロックの魂!
RRの語源を知りました
★★★★★
「ロックとロール」とてもここに書く
勇気はありませんが、語源を知って納得。
プレスリーが腰をふりながら歌ったから
不良の音楽になったわけでもなく、、
根源的に、若者の有り余る「熱」を
発散させる宿命をもった音楽だった
ことがよくわかりました。
そして、三上寛先生への高い評価、、
さすが花村氏であります。
青い影ではない
★★★★☆
芥川賞作家のロック評論、名盤ガイドとして読んでみた。花村氏お気に入りのマイナーな作品から名盤とされる作品まで網羅されているが、花村氏の解説を理解するには、あまりにも自分は無知であった。花村氏と同世代の人、60年代末から70年代のロックを聴きまくった人には面白いかもしれません。
ところで花村氏が選ぶロックNo.1の作品はプロコル・ハルムの作品だそうです。具体的なアルバム名は本書でご確認を―。