MOTTAINAI
★★★★☆
発売後、かなり経過してから入手したのだが、第1楽章のただならぬ大きさ、響きの美しさにまず打ちのめされた。第3楽章までは1本筋の通った、唯一無二、完全無欠の名演で、ずっとこの音楽に浸っていたいと思える。
ところが、どうしたことか、第4楽章になると、響きが薄くなり、音楽の腰が軽くなったように聞こえる。たぶん、録音時期が2年にまたがっていることが影響しているのだろうが、なんとも納得いかない仕上がり。こうなると、ソニーのベートーヴェンチクルスで、9番が録音されなかったことがつくづく悔やまれる。
この第九史上最高の演奏
★★★★★
私はこの曲の演奏を現地で聞きました。第1楽章冒頭の激情的な開始、マイクに入らないほどの床の真下に突き刺さる重い低音。2楽章も文句なしの刻み。そして3楽章はフルトヴェングラーに匹敵する唯一の演奏だと思います。この弦のしたたるような音色美とカンタービレ、深い精神性。泣きます。。4楽章の独唱の欠点は以前から言われていますが、オケに問題はありません。特に3楽章までは敵なしのCDです。そもそもこの曲は3楽章までが最高傑作で4楽章は別物。それがこんな値段になってしまうとは・・・超お買い得です。
第1・第3楽章が最高の名演!
★★★★★
全体的に遅めのテンポをとった、気宇壮大な演奏です。その巨匠的な演奏スタイルが絶頂期に達していたジュリーニと、カラヤン時代の輝かしい音色を維持していたベルリン・フィルが、がっぷり四つに組んで火花を散らしている、という感じで、特に第1楽章のスケールの大きさ、迫力は壮絶なものがあります。冒頭主題がティンパニ強打を伴って再現される箇所など、この曲のあらゆる録音中でも最高のものではないかと思います。第3楽章の包まれるような暖かみもジュリーニならでは。第4楽章に行かずにこのままずっと浸っていたい、とすら思えてきます。残念なのは、終楽章が合唱、独唱、録音ともに今ひとつなこと。録音が89年2月、90年2月と、2年にまたがってしまっていることが要因の一つかもしれません。