ヘンデル選集の白眉…イギリスのバロック演奏の最高峰をデッカの優秀録音で。
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【1】〜【8】が「水上の音楽」「王宮の花火の音楽」、合奏協奏曲ほか(ハープ協奏曲は未収録)、ネビル・マリナー指揮アカデミー室内管弦楽団…アナログ盤で集めてました。当時から決定盤とされていた名演です。
【9】〜【11】室内楽曲、アカデミー室内のメンバーのデジタル録音、リコーダーはペトリ・ミカラさん!悪い訳無い。
【12】【13】「メサイア」マリナー指揮アカデミーの旧盤…エリー・アメリング(ソプラノ)はじめソリスト充実、マリナーもいつもの軽快、颯爽と言うより誠実で優しい…これは素敵な演奏。「感動的メサイア」ではなく「癒し系メサイア」ですね。
「戴冠式アンセム」ほか合唱作品はほとんどピノック盤、最新デジタル録音です。
「マカベウスのユダ」はマッケラス盤…ジャネット・ベイカーの名演、いやあ探してました。素晴らしいの一言。
その他の歌劇は全て新しいデジタル録音…ガーディナー、マクリース他、指揮者も楽団も一流どころを揃えてます。「サムスン」未収録はちょっと残念ですね。
アカデミー室内管弦楽団の大ファンの私には凄い嬉しいボックスでした。これからヘンデルを聴く人には是非ともオススメな質の高さです…イギリスのバロック演奏の源流、そして真髄がここに有ります。
バロック音楽の煌めきをヘンデルは私たち現代人に与えてくれました
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ゲオルク・フリートリヒ・ヘンデルの音楽は、オラトリオ「メサイア」にて結実したと言われますが、この傑作をとりまく幾多の作品無くしては、到底語ることはできません。管弦楽作品や協奏曲集の甘美な旋律に、バッハとは趣を異にする雰囲気が楽しめます。室内楽や声楽曲もとても良い演奏で、なぜこんなメロディが白髪(実は鬘)の巨体に生まれたのか、やはり恋の噂や永い演奏旅行にて、ヨーロッパ各地からの名曲を採譜し、独自の発想で旋律を生み出したと思います。その他のオラトリオの名曲も、神のお告げを作曲者自身が感じ、その手で印象的な場面設定の下に、見事に構築する天才ぶりに圧倒されます。ただヘンデルは人気者であることから、いろんなゴシップもあり人間味あふれる人物でしたが、民衆をみごと虜にする手法は、やみつきになりますね。生きる喜びを与えてくれる名曲群に、感謝を申し上げたい心境です。