インターネットデパート - 取扱い商品数1000万点以上の通販サイト。送料無料商品も多数あります。

胡同(フートン)物語: 消えゆく北京の街角

価格: ¥0
カテゴリ: Kindle版
Amazon.co.jpで確認
◆「胡同物語」は2008年に出版されたカラー写真集です。
出版社が倒産したため絶版となりましたが、この度電子書籍として出版される運びとなりました。
既刊本の電子書籍化のためクオリティーは完全ではありません。クオリティーを重視される方は購入をお控え下さい。

*/*/*/*/*/*/*/*/*/*

 2003年夏、日本の夏も暑かったが中国北京の夏もそれ以上に暑かった。
 2008年のオリンピック開催までわずかに迫り、それに合わせるように市内のあちらこちらで建設ラッシュの首都北京。
北京市内の建設ラッシュは数年前から凄まじく、超高層建築物が終わりを知らないように各所で建設中であった。

 一方で少し目を移すと、北京中心部周辺に旧くから伝わる低層家屋で造られた街並みがある。それが‘胡同〔フートン〕’である。
決して計画された街並みとは言えず、不規則にゴチャゴチャとした感じだが、それ故にどこか郷愁を感じることも事実である。
時代と共に伝統的な北京の顔は裏の顔に追いやられ、開発と共にその姿は減りつつある。

 ‘胡同’は、故宮(紫禁城)を中心としたある範囲内に各所に形成された。
正式な意味は不明とされているが、通りには「○○通り」という意味で「○○胡同」という名称が付いている。決して大きい通りではなく、横丁程度と考えていい。
通りひとつひとつにそれぞれ名称があり、そのひとつひとつに由来があるという。
胡同の歴史は、元の時代から始まったと言われていて、実に700年以上の歴史となる。

 近年、北京の建設ラッシュの陰で、闇雲に壊され消され続けた胡同であったが、最近その歴史的・建築的重要性が見直され、中国国内で保存活動も行われている。

 取り壊しという現実に向かいながらも、引き続きそこに生きそこに暮らして活動する「生きている伝統的社会」の胡同が、北京の歴史的にも建築的にも価値ある光景であると私は考え、数年掛けて写真として記録することにした。
夏はもちろん、冬でも路上で交流し、娯楽をし、まさに「生きている街」を実感できる。
北京の財産とも言え、伝統的な社会である‘胡同’。

 いつしかこの写真集が中国のみならず、全世界においても価値ある一冊となることを願っている。

 本書は、以下の章建てにより構成した。
   第一章  胡同の街並み
   第二章  胡同で暮らす人々
   第三章  冬の胡同
   第四章  壊される胡同