小学校高学年向けの気象入門書
★★★★☆
おなじみ公園前派出所の両さんたちが登場する気象の入門書です。
監修は森田正光氏で、本人のキャラクターもマンガに登場します。
内容はマンガ半分、イラストいっぱいの解説部分が半分、といった感じ。
小学校高学年向けに地球と大気、天気予報の仕組みなどをじっくり解説しています。
ただ、2006年2月の発行で、2007年に更新された日本の最高気温記録がとうぜん
載ってなく、また時間の表現で「午後6時から9時」が「宵のうち」となっていたり
(現在は「夜のはじめごろ」)、少し古い部分も出てきています。
マンガは秋本治氏ではなく、シリーズを通して池田俊一氏が担当していて、
原作マンガとはギャグのテンポの違いや、キャラクターの描画などで多少違和感を
感じますが、この本はそうした部分を語るようなものではないのでしょう。
降水過程や台風の仕組み、また「大気の状態が不安定」「フェーン現象」など
用語の解説もあり、入門書としてはまずまずと思います。
私も気象予報士ですがけっこう面白く読ませていただきました。
予報士試験勉強のとっかかりを探している文系の方にもおすすめしたいと思います。
そして、一番のオススメ部分が、表紙カバー裏の「雲の大写真」です。
非常にきれいな写真で十種雲形が掲載されていて、雲の分類の学習で悩んでいる人は
一発で雲形が理解できるようになるでしょう。これだけで850円(税抜き)の価値はありますよ。