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聴く鏡―一九九四‐二〇〇六 (SS選書)

価格: ¥2,800
カテゴリ: 単行本
ブランド: ステレオサウンド
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笑いながら、考えさせられる ★★★★★
オーディオとジャズの世界で、岩手県一関市のジャズ喫茶ベイシーのことを知らない人はいません。この本は、ベイシーのマスター菅原正二氏のオーディオとジャズに関するエッセイをまとめたものです。

が、本書をただのジャズ/オーディオ本ではありません。もちろん、ジャズ/オーディオ本としても超一流ですが、随所に鋭い文明批評が散らばっており、生き方の指南に満ちています。これを名著といわずして何といいましょうか。

クラシックが評論家による「演奏批評」に終始し、そこから抜けだせないまま現代と乖離し、そのことに気がつかないまま落ち目に向かっている今(以上はクラシックファンとして哀悼の意を込めて書いた)、ジャズは、小さく狭いけれども、確かな成熟をもたらした。本書にそれが集約されています。

ところで、菅原さんはあちこちに出かけません。お店を守らなければならないという職業柄、そうなのです。ところが、全国から(いや、世界から)菅原さんのところにいろいろな方がやってきます。
こちらから訪ねるのではなく、「いながらにして、大切な人を引き寄せる」のが菅原さん流です。これを菅原さんは「居座る原理主義」(危ない!)と称しています。

「国家の品格」よりも、ぼくはこういう本に共鳴します。