センター長のバイブル
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物流は空気みたいなもので、良く出来ている時はその存在すら気になりません。公害などで空気が澱んでくると、今日の空気はおかしいという事になります。
物流も一緒です。普段何気なくうまくいっている時は気にも止めませんが、たった1つの事故やミスでその信頼も一挙に崩落することもあります。
ただ空気と物流の違う点は、空気は無限ですが物流は有限です。この有限の資産をうまく活用して、日々信頼を落とさないようにしている中心人物がセンター長です。
本書ではこのセンター長にスポットを当て、陰に隠れた努力や気遣いを紹介しながら、センター長には顧客信頼向上のために、ここに留意して欲しいと力説しています。
それは私が経営コンサルタントになって30年、日本企業と韓国企業の主に物流の課題を解決してきました。30年間で日韓合わせて何千人の物流センター長に会ってきました。部品などの資材センター長も同様です。おそらく世界で一番センター長に会っているコンサルタントは私だと自負しています。だからこそ、センター長の苦労も誇りも理解しているつもりです。
それにしてもセンターでは、その取り扱い商品は1次産業、2次産業、3次産業すべて運営に仕方が違います。またバーコードのない商品も多数あります。そんな多岐にわたる商品を「預かった状態と同じ状態でお届けする」という使命を持っています。ホコリも傷などの損傷も転倒も許されない環境で、商品に真心込めて日々接しています。その私が普段脚光を浴びない、浴びることのないセンター長を本書で前面に押し出したいと思いました。それは私にしかできない事とも考えました。
そんなセンター長の評価を本来の評価に戻すためには、まずは誤出荷(注文と違う納品)と在庫不一致(本来あるべき在庫と実在する在庫の不一致)の2つに焦点を当て、本来は2つとも0にすべき事ですが、過去の蓄積もありまずは半減するという目的と趣旨で本書をまとめました。
本書の構成は第1章がセンター長の役割、第2章が誤出荷を半減する10のヒント、第3章が在庫不一致を半減する10のヒントとなっています。
第1章ではセンター長の役割というテーマで、管理すべき項目、目の付けどころ、技術、ドライバーの管理、センターレベルを上げるための方策などについてまとめています。
第2章では誤出荷を半減するというテーマで、誤出荷が多い順にまとめています。大きく分けて品名を間違えない、数量を間違えない、テレコと言いますが現品と伝票の貼り間違いをしない。この3つをさらに細分化して10のヒントとしてまとめています。
第3章では在庫とは、不一致とはから始めて、どこで間違う可能性があるのか、これも大きく3つに分けています。入出荷時の入力ミス、在庫更新のタイミングミス、異常処理の間違いです。さらにこれを細分化して10のヒントとしてまとめています。
物流コンサルタント30年のノウハウ(エキス)をここに凝縮しました。物流の信頼度を上げるためには、誤出荷と在庫不一致をなくすこと。これに尽きます。まずは半減して顧客に感動を与えましよう。その半減するヒント(見方)が誤出荷と在庫不一致で各々10項目網羅しています。このヒント(見方)があなたの味方になってくれます。
最近のグローバルSCM(サプライチェーンマネジメント)はタイムリーに在庫の一致がなされていることが最低条件です。この在庫不一致0を達成して、SCMプレイヤーの仲間入りをして下さい。私は日本・韓国企業の物流コンサルティングを200社程度支援してきました。物流は各社その商品の荷姿・入出荷条件・使うシステムによって千差万別、同じ物流は2つないと言われていました。しかし、物流課題解決には同様の手法を使い、各企業のレベルに合わせて改善内容は相違しますが、見るべきポイントは同じだということに気づきました。特に誤出荷と在庫不一致は見るべき見方は同じ事に気づきました。
ここにその見方をヒント集にして電子書籍として出版いたします。
電子書籍にした目的は現場でミスやヒヤットしたことがあったその場で、スマートフォーンでヒントを確認してもらうためです。このように事故やミスは現場で起き、その場で状況を確認して、スマホでヒントを見ながら対策を考える様にして欲しいと思いました。
ご存知のように物流業務は事業としてはあまり儲かりません。特にアクションだけを行う企業は疲れることはあっても、疲労がとれるほど嬉しいこと、喜ぶことは少ないと思います。アクションだけをする企業よりも、本書のような改善ができ、顧客に提案できる企業までレベルを上げてください。
一方では少子高齢化で働く人も少なくなります、ドライバーの希望者も少なくなります。働き方もフル勤務もあれば、パート勤務もあり、20歳代もいればヒョットして70歳代もいると思います。このような人たちをいかに早く一人前に仕上げ、人が変わっても事故もミスも起きない現場にすること。これが顧客に感動を与えます。
どこの工場に行っても正門に「連続何日無災害」という看板が出ています。物流センターでこの看板を見るのは希です。それだけまだ事故もミスもあるはずです。
まずは足元を固め、少しずつレベルを上げ、企画・設計・提案まで出来る3PL(サードパーテイロジスティクス)を目指してください。
本書を通して顧客の信頼を永遠に勝ち取り、事業の継続成長を応援いたします。