西川貴教を中心に結成された4ピース・バンドによるデビュー・アルバム。「INNOCNET S0RROW」「HOWLING」「Nephilim」というシングル3曲に加え、大人気コミック「NANA」のトリビュート・アルバムに収録された「stay away」、BUCK-TICKのトリビュート盤に収められた「ドレス」などを収録した本作は、モダンヘビィネス、ラウド、エモ、ドラムンベース、エレクトロニカといったサウンドを自在に取り込み、まさにジャンルレスな音楽世界を映し出すことに成功している。岸利至(キーボード/プログラミング)によるサウンド・エフェクトとエディット・センス、SUNAO、柴崎浩によるダイナミックかつ繊細なツイン・ギターの絡み、そして、西川の強烈無比なボーカリゼーション。豊富なキャリアを持つ4人のコラボレーションは、1stアルバムにして既に極限の域まで達し、既存のフォーマットを超えたロック・ミュージックを体現。"西川のバンド"という先入観を捨て、斬新なサウンド・スケープをしっかりと体感してみてほしい。(森朋之)
満を持して―鋭く重くロマンティックに軽やかに
★★★★★
へヴィなのにロマンティック。そろそろ2ndアルバム発売も秒読みに入った
a.b.sの1stアルバムは、やはり色褪せぬセンスよい小気味よさに溢れていた。
「HOWLING」や「INNOCENT SORROW」を始めとするシングル曲の完成度の
高さは、そのまま合間に挟まれるアルバムオリジナル楽曲の奥行きの広さ
幅(レンジ)の豊かさを示し、思わず何度でもリピートしたくなるスルメ度。
さすがは長年キャリアを積んできたメンバーが繰り広げるオルタナティブ
ロックの世界に酔いしれた。それは無論TM.Revolutionとして精力的に
活動してきたVocalの西川氏も変わらない。むしろデビュー10周年を迎え、
満を持して結成したa.b.sで新たに"覚醒"した―そういう感触さえある。
エネルギッシュなパワーに溢れた西川Vocalが踊る音楽の数々はギターの
柴崎氏やキーボードの岸氏の縦横無尽に展開する楽曲に乗って心地よく
痺れる電流のように重厚なロックサウンドを展開する。しかしどこかに
物哀しさや繊細さを忍ばせて、決して聴く耳を疲れさせるどころか、その
本物の激情(ねつ)に不思議なときめきでさえ覚えさせる。冒頭3曲目の
独特の映画的な美しい世界観が哀歓ロマンティックな「Via Dolorosa」
や青春の輝きそのものを感じさせる爽やかな疾走感が駆け抜ける「アテナ」
そして相反する鋭敏でアグレッシヴなセンスで展開する英語曲の数々。
意外な?才能を垣間見た西川氏の楽曲の勢いそのものに紡ぎ出される
クオリティの高い歌詞といい、思わずその一つ一つに瞠目させられる。
それをあくまで軽やかに伸びやかにやってのける姿に感動の二文字で
さえ覚えてしまう(後半rapゲストとしてHOME MADE家族MICROを招いたり、
かのBUCK-TICK「ドレス」のカヴァーなども一種の変化への希求の表れとも)。
これはTMR時代楽曲には正直あまり感じなかったことだ。そろそろ熟年の域に
差し掛かってきたということだろうか。西川貴教という奇跡が、ほんの遊びの
ような思い付きで始めたバンドにて芽を吹き始めた―個人的にそう思えて
ならない。そんな半端でない面白みを、このa.b.sアルバムで改めて実感した。
続くa.b.s第二期では少し視点を変え、日本(「JAP」)という舞台背景を携え
ながら、今後どこまで向かうのかが楽しみだ。決して期限付きとは思えぬ、
第二の"青春"を無邪気に謳歌する西川バンドの本気はまだまだ終わらない。
「名刺」にしては秀逸
★★★★★
西川貴教、柴崎浩、SUNAO、岸利至という、
四人の名だたるアーティストとミュージシャンによって結成されたバンド、
abingdon boys schoolの1stアルバム。
結論から言えば、かなり良い。
サウンドはツインギターをメインに、最近の日本の音楽シーンでは珍しく
重厚で分厚い音のため、T.M.Rの楽曲が好きな人によっては
「ちょっとこれは・・・」と思う人もいるかもしれない。
しかし、そこはキャリアの差というのだろうか。
ただの勢いにまかせる事なく、ハードながらも音全体の均整が取れ、
アレンジや楽曲もバラエティに富んだ凝った作りになっている。
ただでさえ、最近あまりバンドが活躍しなくなっているため、前線に出て、
こういうサウンドを奏でてくれること自体が個人的にはとても嬉しい。
更に、そのハードなサウンドはむしろ西川貴教のヴォーカルポテンシャルの高さを
再認識させるものだとも思う。
安定感や声の持つパワーは圧巻である。(ライブでは更に)
1stアルバムであるがゆえ名刺的な性質を持ち、既発表の曲もやや多い。
それでも船出としては十分なほど良作だと思うし、まずは一聴すべきである。
人によっては、最近の日本の音楽があまり持たない刺激を受けるはずだ。
2nd以降、a.b.sがどういう音楽性を打ち出し、どんなアルバムを作るか楽しみである。
洋楽ロックヲタです。
★★★★☆
ここ数年、日本のシーンに興味を持てる人達がいなかったのですが
久々に「これは聴ける」と思うアーティストに出会いました。
自分は洋楽ロック、UK・オルタナロックばかりを聞いている
生粋というか、偏狭なロックマニアなのですが、abingdon〜の音楽性は、UKオルタナの
影響が強いですね。楽曲アレンジの多くは最近のUKロックの潮流を反映しています。
(サンプリングの多用など)
演奏も重厚感があり、最近のロックバンドの中では本当に演奏が巧いです。まあ、みなさん
かなりのキャリアをお持ちのようなので、当たり前かもしれませんが。
ただ、ある意味、音楽的にいってマニアックな部分があるので、ロックヲタにはツボにきますが、ポピュラリティーはないかもしれません。
個人的にはかなり好きなアーティストです。頑張って欲しいです。日本にも真性ロックヲタが
聴けるバンドがいてもイイと思うので。
アルバムなアルバム
★★★☆☆
<(^▽^
NANAのトリビュートや 彼らのシングルを
買ってない人には お得な アルバムです。
買ってしまった人は、新鮮さを
感じないので おすすめしません。
HOME MADE 家族の人が 参加した 曲があるのですが、
何分 日本人がやる ラップなものですから、
実力のなさは 否めず、ボキャブラリーの少なさが 更に拍車をかけ、
西川さんの声が好きな人には 邪魔と 感じることは 必須です。
楽曲詰め合わせみたいなアルバム
★★★★★
すごく、聴いててお得なアルバムだという考える時もあるんです。
まず、ロックテイストから始まり、バラード、ミディアムチェーン、アニメソングに思える曲もあったりと…
ジャンル数の多いこと、多いこと...
今回は、特別に「BACK-TICK」から楽曲提供していただき、トリュビュートに参加していたあの曲、「ドレス」が収録されているので、必見でしょう。
シャッフル機能のついているMPで聞いていますが、シャッフルする必要のないアルバムだと思います。
普通に聴いていても、バラードからロックに急に変わるので、単調になる事はないので。