評価が難しい本
★★★★☆
かの有名なコリン・ウィルソンのアトランティス物。
前著、ランド・フレマスとの共著である「アトランティス・ブループリント」の薄さとあっけない終わり方とは対称的に分厚く内容盛りだくさんの意欲作。
実は「アトランティス・ブループリント」ではフレマスとの確執があり、不本意な形での出版となったため、本作こそが本来書きたかった内容らしい。
断定的な言い方で超古代文明について小気味よく話を進めて行くので前半はわくわくしながら読み進められるのだが、後半に入ると一転、一見してアトランティスと何の関係があるのか分らない話が延々と続く。シャーマンが出てくる辺りから怪しくなり、キリストの本当の生涯やフリーメーソンなど。人名、地名が山ほど登場し、話に付いて行くのは至難の業。いつになったらアトランティスにつながるのだろう、と投げ出しそうになったところ、ラスト80ページ辺りから理解可能な話題になり、最終章に流れ込む。
8章から9章までは最初は飛ばして読んだ方がよいかもしれない。そうすれば誰にとっても非常に楽しい本となろう。さもなくば逆に非常なる忍耐が要求される本である。