多変量解析の基礎IV(因子分析): 理論とRによる演習
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ビッグデータという言葉に象徴されるように,データからの知識抽出技術が注目
を集めています.本書はこの技術の基礎の基礎である多変量解析技術の中から因子
分析を解説します.理論だけでなく,Rを使って実際にデータ処理を体験できるよ
うにしています.また,単なるRのノウハウ書としないために,理論展開に沿って
データ解析を段階を踏んで体験できるように工夫しています.
Rによる多変量解析の解説書は,あまた出版されています.例えば,因子分析は
fa()関数を使えば簡単に実行できます.多くの本がこのfa()関数の使い方を解説して
います.本書の特徴は,fa()関数の背景にある基礎理論を解説し,その展開に沿って
Rによる演習を段階的に組んでいる点にあります.
目次は以下の通りです.
1 はじめに
2 fa() 関数による因子分析の実行例
3 因子数の決定法
3.1 スクリ-テスト
3.2 ガットマン基準.
3.3 SMC 法
3.4 平行分析
3.5 因子の意味解釈による方法
4 因子分析のモデル
4.1 データの形式
4.2 因子分析の目的
4.3 因子モデルの行列表現
4.4 因子モデルにおける仮定
4.5 モデルの簡略化
4.6 主成分分析との違い
5 因子負荷量の推定法:最小2 乗法(主因子法)
5.1 最小2 乗法の理論
5.2 反復推定法による解探索
5.3 R による計算
5.4 fa() 関数の利用
5.5 初期値設定:smc の利用
5.6 fa() 関数内の主因子法(主軸法)の抜粋スクリプト
6 効率的な解探索法
6.1 反復推定法の収束の遅さ
6.2 勾配法
6.3 ニュートン法
6.4 準ニュートン法
6.5 R による解法
7 因子分析の解法:重みなし最小2 乗法
7.1 勾配法による解探索
7.2 R による計算
7.3 準ニュートン法による解探索
7.4 R による計算
8 因子負荷量の推定法:最尤法
8.1 最尤法の理論
8.2 反復推定法による解探索
8.3 R による計算
8.4 勾配法による解探索
8.5 R による計算
8.6 準ニュートン法による解探索
8.7 R による計算
8.8 準ニュートン法の探索範囲に上下限値を設定
9 因子負荷量の推定法:重み付き最小2 乗法
9.1 重み付き最小2 乗法の理論
9.2 準ニュートン法による解探索
9.3 R による計算
9.4 重みの意味
9.5 fa() 関数について
10 因子負荷量の推定法:一般化最小2 乗法
10.1 一般化最小2 乗法の理論
10.2 準ニュートン法による解探索
10.3 R による計算
10.4 重みの意味
10.5 fa() 関数について
11 因子の回転
11.1 因子負荷量の不定性
11.2 因子負荷量の回転: Varimax 回転
11.3 R による計算
11.4 因子負荷量の回転: Promax 回転
11.5 R による計算
12 因子得点の推定
12.1 Thurstone の方法
12.2 R による計算
12.3 Harman の方法
12.4 R による計算
12.5 Bartlett の方法
12.6 R による計算
12.7 Anderson & Rubin の方法
12.8 R による計算
12.9 tenBerge の方法
12.10 R による計算
本書で紹介しているRのスクリプトは以下からダウンロードできます.
http://mybook-pub-site.sakura.ne.jp/multi_variate_analysis/index.html
本書ではR 3.4.1 for Windowsを用います.このソフトウェアはhttp://cran.
r-project.org/より無料でダウンロード・インストールすることができます.
Windows版を前提にスクリプトの解説をしていますが,MacでR を使う場
合でも,データファイル(csv ファイル)の読み込み時のフォルダ指定以外は,
スクリプトを変更することなく実行できます.
著者紹介
1985年名古屋大学大学院工学研究科電気系専攻博士後期課程修了
現在 名古屋大学大学院工学研究科教授・工学博士
専門 電気工学,ソフトコンピューティング,感性工学