戦前に出ていた講談社の絵本シリーズを現代によみがえらせた絵本。これしか見たことがない方は絶賛されていますが
一度本物のオリジナルを見てください。
この桃太郎に限らず　新シリーズはすべてにおいて文章が改悪。
そして絵が売りのはずなのに　全頁の絵が揃っておらず
途中の場面がないです。桃太郎の場合巻末の歌も含め7場面も抜けています。
しかも　絵に細工されている箇所もあります。
昭和（戦後）に復刻バージョンが出て印刷は劣りますが、ずっと味があります。
もちろん　本作の絵は原画を現代の技術で印刷しているのできれいですが
だからこそ　途中場面のカット、文章改悪が非常に残念です。
全頁のすばらしい絵をこの水準で見たかったです。
先日　講談社の絵本展にて原画をじっくり見てきたので尚更残念です。

　日本画が美しいです。話の内容や言葉使いはごく普通で安心できます。文字数も多くありません。
　画風は戦前のものなのに文章が（きれいな言葉づかいですが）現代口語なのがミスマッチです。せっかく昔話なので文語で書いてあれば雰囲気もあるのに。
　朗読した後に、「鬼の大将の角は何本？」とか「物語の中でばあさんは何回衣替えをしていたか？」など質問すると面白い。もちろん文章についても質問します。そうすると子供が真剣に見聞きしてくれます。

　このシリーズの絵本にすっかり惚れ込んでしまいました。子供が年長、小学生となるにつれて絵本では漢字が少なくて不満でした。もっと絵本にふり仮名付きの漢字をいれて良いのではと常々思っています。この本はそんな気持ちを満足させてくれるだけでなく、絵が本当に美しい。海外にだって誇れる素晴らしい絵本だと思います。このような美しい日本画の絵とともに、日本の伝統的な昔話を子供に記憶してほしいです。この桃太郎の本から子供たちもこのシリーズに興味を持ってくれました。現在3歳の男の子もこの本が大好きです。赤ん坊の桃太郎がお風呂のたらいを持ち上げてしまう絵は特に楽しくて家族みんなで微笑みながら読んでいます。

息子に、美しい絵本をと思って購入しました。
今時めずらしいレトロな美しさで新鮮な絵に大人も子供も
楽しめます。オニの怖さも美しい絵なので、ただ怖いだけでなく
魅せられます。