今までにない視点から見た今後の地方議会改革
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この本のタイトルから、最近始まった「議員力検定」向けの単なるテキストかと思いましたが、実際に手にとって読んでみるとこれまで読んできた地方議会関係の本とは違った視点から今後の地方議会改革について書かれていました。
本書は、夕張市の破綻をきっかけとして地方議会に不足しているものを、議会という議事機関の「議会力」と、その議会を構成する個々の議員の「議員力」、そしてその議員たちを選挙で選んでいる市民の「市民力」の3章構成で、それぞれに不足している力について書いています。例えば、「議会力」としては単なる「八百長朗読会」となっていることと、「議員力」としては市民への説明責任能力や制作力の不足、「市民力」としては本当に自分たちの地域に貢献してくれる議員を選びだす力の不足と、其々の側から見た問題点と今後の課題について触れている。
特に「議員力」については、ここまで議員に求めるのか!?理想論ではないか!?と思うくらい実行するには難しい内容が書かれているが、あくまでもこれを目標として行動に移せる議員になれなければ今後の地方自治の担い手としての議員にはなれないのではないかと考えさせられました。
夕張市の財政破綻も決して他人事ではないので、自分たちの住んでいる地域が夕張市のような事態にならないように、地元の自治体の運営について考える力を身につけさせてくれるような内容でした。