昔ごと日本を味わってるかしら?
★★★★★
私って、日本のこと知らないんだな〜とワクワクした気持ちで思わせてくれる一冊です。
私の海外旅行は5泊7日が最高で、そんな短期間で日本観が変わったり無知を恥じることなんて、
もちろん、なくて。でも、歴史や戦争のことって知らないなぁってときどき反省します。
でも。漠然と反省しても何も変わらなくって、では、どうしたいのかしら?
花の名前を知っていれば、自転車に載るだけでこんなに楽しいんだ!
短歌や書道も学校の授業止まりにしなければいいし、謡いって!??
日本にいれば体験できる日本の文化を自分で体現すればいいんじゃないか!!
今の日本にいて、古くからの日本もしっかり味わっている著者の視線をちょっと拝借すれば
日常を、そしてそこに続く日本を楽しむヒントがたくさん見つかりますよ。
ランドセル と ミスターのはなし と...
★★★★★
日本に住みはじめて以来のことでしょうか、花粉症に苦しむMr. Arthurのご本はこれで2冊目です。1冊目は小熊秀雄の『焼かれた魚』の英訳絵本でした。筆者にとってArthurはおなじみの名前で、40年来の知人のと同じってわけです。
イタリア語とタミル語と日本語と母語がおできになるそうですが、
もっともっとかいてください。ただし、TV出演はできれば控えて。
4文字熟語、トムのランドセル、晴れ着の意味、ミスターの日本語
メイクドラマ(マケドラマ)...なにしろおもしろすぎます。
そのうち朗読で読んでみたいです。ランドセルなんかいいかも...
部分的にいいますと、こういう言い方(「けれんみのない日常生活」云々)ってあまりきいたことがないし、どういう意味だろうと思いました。
恐れ入ります
★★★★★
まずは、ありきたりだけれど、著者の日本語の芸に脱帽。英語で考えたことを日本語にして書いた、というのではなく、落語などの話芸を取り込んで最初から日本語で書いた文章ですね(こういうエッセイは英語圏ではあまり例がない?)。
そしてその話芸に舌を巻いて心地よく読んでいくと、時折現れる、世界に対するまっすぐな発言とその熱さにはっとさせられます。日本語ができてすごいな、で終わらない、その秘められたメッセージ。これだけ分かりやすい言葉で、ここまで妥協しないで書ける人は、今、すごく貴重です。
出世ガイジン
★★★★☆
本書の文章はどれも新鮮だ。ただし辛くいえば外人のくせに日本語が達者だ、というレベルで。覚えたての、日本人からしてみれば死語に近いような語彙なども使われているし、ヘタなオチも付いているものだからそう感じるところもある。小説家リービ英雄ほどこなれてもいない。
山形弁をたくみに操るダニエル・カールが学生時代には新潟県佐渡ヶ島で民俗芸能を高齢者から苦労して学んだことを話してあげたことがある。アーサーはかなりガッツある表情で聴いていたことを思い出す。そして即興で詠んだ俳句を色紙に筆ペンで書き付け、わたしにくれたのだった。「海鼠」などという読み方も書き方も難しい言葉を入れて。こうしてみると、背後に詩人の奥さまに和文を添削してもらっているとは思えない。
だから本書は一見、日本語オタクによる奇特な産物のように見える。しかし、奥行きは深く、奥の倉庫にはアメリカ流の文章表現のテクニックがふんだんに待機しているのが感じられる。彼は母国語で書いても優れた作家になれていたのかもしれない。そんな逸材に和文で創作してもらえるのは日本の文化の豊穣を期する意味ではたいへんありがたいことである。
目と目が合って・・・・
★★★★★
解説で立川談四楼さんが書かれてたように、この本と「目と目が合って」即決で買いました。
なんだろうな・・・・このビナードさんは、いやみなく、でもしっかりもので、それでいてかわいいところもある。
小粒のお菓子を口いっぱいに頬張った時のような、ささやかな幸福感がしっかり味わえる一冊です。