ホンモノの「職人」たちは、強かでカッコいい
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手と体でする仕事の知的さ、生活の哀歓。ホンモノたちの言葉が詰まった語録。
ぱらぱらめくっているうちに、ジーンと来たり、にやっと笑ったり。
「ものづくり」を支えた職人たちの言葉は、粋で強かでカッコいい。
著者が町工場の現場で長年働いてきただけに、ことばに重みを感じる。
「逃げ仕事をしない」、「昼間夢見てる」、「ホンモノの知は手や体を通して育つ」など、思わず膝をうつった。
自分も広い意味でものづくりに関わる仕事をしているので、思い当たることが多い。
ハウツー本にも見えるが、著者の解説も入り、とても奥深い内容となっている。
たけしとの対談も予想外に楽しめる。彼の職人に対する敬意を感じた。
旋盤を使った経験談、「お笑いの原価は実は高い」、溶接の技能の奥深さなどの話を面白く読んだ。
勉強本やら、他人を出し抜くためのハウツー本が流行っている中、地に足のついた豊かな世界があることを教えてくれる一冊だ。