メンフィス・アンダーグラウンド(SHM-CD)
価格: ¥2,300
ハービー・マンは当初テナー・サックスを吹いていたが、1952年にマット・マシューズがフルート奏者を探していると聞いて、さっそく猛練習を積んでフルートをマスター、マシューズの録音に採用された。競争相手の少ない楽器のほうが出番は多いと考え、フルートにスイッチしたのだとか。
60年代のマンはブラジル音楽、アフリカ音楽、レゲエ、ディスコ・サウンドと、さまざまな音楽に関心を示したが、本人いわく「ナッシング・イズ・フォーエヴァー。永遠のものなんてなにもない。イタリア料理、フランス料理、ブラジル料理、みんなおいしいけれど、明日はまた別の料理を食べたくなるかもしれない」のだそうだ。
68年録音の本作は、いわゆるジャズ・ロック的な色彩の強い作品。ソニー・シャーロック&ラリー・コリエルというジャズ・ロックを代表するギタリストをフィーチャー、サム&テイヴの<3>(この曲ではミロスラフ・ヴィトウスがフェンダー・ベースを弾いている)やアレサ・フランクリンの<4>など、当時のヒット曲をソウルフルに演奏している。(市川正二)