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西洋骨董洋菓子店 (1) (ウィングス・コミックス文庫)

価格: ¥662
カテゴリ: 文庫
ブランド: 新書館
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警告:気に入りの洋菓子店の営業時間内に読むこと! ★★★★★
警告です。とにもかくにも、読む前に、おいしい洋菓子のお店を最低一つ、見つけておくことをお勧めします。そして、できればそのお店の営業時間内に読むことをお勧めします。(笑)

さて、この作品の主要キャラは『魔性のゲイ』なる天才パティシェの小野、『小野を唯一振った、酒とアンキモを愛するばりばりの辛党』なるオーナー橘、『リングのジャ○ーズ(笑)と呼ばれた、元チャンプ・ボクサー』なる見習いのエイジ、そして『あまりに仕事が出来ず、そして散らかし魔』なる大ボケ色男千景、この四人です。

時の流れの中で、時に運命はその人の歴史にひっかき傷を付けていきます。それを抱えて、人は大人になっていきます。
その人その人の歴史の重さ、よしながさんはこれを描いてキャラを立てるのがすっごく上手い人です。すごくすごく上手いのです。

メインも脇役も、皆歴史があり、それがストーリーと絡んでより深い味を出しています。これは、思いがけない食材の組み合わせで、ケーキがより美味しくなるという感じに似ています。
たとえるなら、ストーリーというお店にあって、キャラクターという菓子を、才能豊かに、至上の美味として創り出すパティシェ、それがよしながさんなのです。

で、ゲイシーンもちょびっとありながら、男の方でも多分、するっと読めてしまうであろう、そこがよしながマジックかと。

しかし、この作品…ケーキが本当に美味しそう!立て板に水の解釈付きで。いやもう、本当に。

ですから、気に入りの店を見つけてから漫画を楽しみましょう。

我慢できなくなったら?もちろんお財布をつかんで、ケーキを買いに行くのです。
お勧めです。 ★★★★★
裕福な家に生まれたが、過去の事件で心傷を負った男が、事件の真犯人を追及したいという深層意識の下、深夜も営業する洋菓子店を営み、ゲイのパティシエ、元ボクサーの店員、無能力な側近、といった個性豊かな登場人物が織りなすエピソードを、伏線を仕込みながら展開し、終局は一転、息も切らさぬ展開となる。ケーキや食事の品名やおいしさについての台詞が、食欲をそそる。
笑って泣いて。残酷で愛しい人生がここにある。 ★★★★★
よしながふみに出会って早8年。

なんという才能の持ち主だ、という驚きは小沢健二に匹敵する。

デビューから一貫して「愛という行為をなす人々」を描いてきた彼女は、
主にゲイの世界を扱うがゆえに正当な評価が足りないが、掛け値なしの天才だと思う。

...と書いていたのが4年前。よもやこんなに売れっ子になるとは!
天才がきちんと世に評価されたことが素直にうれしい。

本書はそんな彼女の代表作。

笑って泣いて。

残酷で愛しい人生がここにある。

世のすべての漫画読みは必読。

転機となった作品 ★★★★☆
 昔、BLが好きで、ノベル、コミックと、色々な作家さんの作品を乱読していましたが、当時から、よしながさんは、他のBLの作家さんと違って、失礼ながら絵はお世辞にも巧いとは言えなかったし、背景が平気で真っ白だったりとしたのですが、それでもよしながさんのコミックを読んでいたのは、構成力の巧みさと登場人物の斬新さに、確かにひきつけられていました。
 よしながさんは、BLを描いていた時代でも、ノーマルなコミックも描いていました。ここからは、わたしの推測ですが、BLといういまだに偏見のあるジャンルに閉じ込めておくには、惜しい作家さんだと、周囲の編集者たちも思っていたと思います。それで、描かれたのがこのコミックではないでしょうか?。ゲイのキャラクターは登場しますが、メインではありませんしSEXシーンもありません。そして、このコミックの成功によって、講談社の賞を受賞したのも、BLではなく、ノーマルなストーリーで、いつものように読者を夢中にさせる構成力と、オリジナリティのある魅力的なキャラクターたちを生み出したよしながさんの情熱だったと思います。それだけ、出版界では期待されていた作家さんで、ここからあとは語るまでもないでしょう。今ではすっかり絵も達者になって頼もしい限りです。
 なお日本のTVドラマ化のさいには、もちろんゲイのキャラではありませんでしたし、健全なドラマとなっていました。
 
作画がいまいちなれど魅力的 ★★★☆☆
韓国映画版があまりに良かったので、原作を読む気になりました。
著者の作画って、背景を省略しすぎて手が込んでないですよね。人物も可愛くなくてあまり私好みではないので、ずっと読まずにいました。けど、会話や心理描写が抜群に巧くて、随所にしこまれてるギャグっぽいオチが楽しい。あっという間に読んでしまいました。今はボーイズラブ分野が花盛りらしいけど、私は初めてで新鮮でした。そして、韓国版映画がかなり原作に忠実に、かつ原作にない新しい可愛らしさを取り入れて作られているのだとわかります。

R指定並みのきわどい描写もないし(とりあえず一巻は)私のマンガを横取りする小6の姪に読まれても大丈夫かな、、、。