2人の論客が示す真の「教育のあるべき姿」
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日本では、教育の荒廃が叫ばれて久しい。特に現代では、教師が子供に手を出すだけで、各方面から散々叩かれてしまう。だが、本当に体罰は全て悪なのだろうか?
この本は、元・航空幕僚長の田母神俊雄さんと、戸塚ヨットスクール校長の戸塚宏さんが、自らの経験を交えながら真の「教育のあるべき姿」を提示するものであるが、まず読んで分かるのは、双方がそれぞれ芯の通った教育論を展開していることである。
実際に、この本では知育・徳育・体育や、守破離の原則や、かつて存在した教育勅語などの必要性を説きながら「教育のあるべき姿」を提示しているが、これらの精神は、間違い無く時代が変わっても通用すると言える。そしてその上で、本題である体罰の必要性をはっきりと示していると言える。
そのことを考えると、ここまで深く教育論を語っている作品は、なかなか無いと思う。
なお、この本ではメディアに対する批判も展開していたが、確かに2人の言う通り、日本の教育はメディアの論調だけで簡単にブレまくっている。その結果、日本の教育は柱を失って、滅茶苦茶になっていると言える。
だから、そんな状況を変えるためにも、この本は学校の先生や、子供を持つ親達に読ませるべきである。そして、その上でメディアの論調に左右されない教育行政を求めない限り、教育の荒廃は止まらないと断言出来るのではないだろうか。