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完本 カリスマ―中内功とダイエーの「戦後」〈下〉 (ちくま文庫)

価格: ¥1,050
カテゴリ: 文庫
ブランド: 筑摩書房
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デパート経営者 対 量販スーパー経営者 ★★★★★
エピローグの著者佐野氏と西武デパートの堤清二氏の対談が抜群に面白い。
佐野氏の,ダイエー中内功氏に対する愛憎。御曹司として生まれた堤氏の
中内氏の自由さに対する憧憬。

しかしその西武も,この対談内の予言通り。ウォルマートの傘下となり、
『残ったところはとしまえんの観覧車』どころか、残ったところは、
失敗したダイエーと同じ轍を踏む『買う楽しみのない店舗経営』である。
戦後の終わり、「完本」カリスマ。(下巻) ★★★★☆
 この下巻においては、中内ダイエーの崩壊と破滅が如何にして引き起こされ、そのことに中内功がどのように関わったのかが、詳細に描かれている。興味深い点は中内ダイエーの滅亡が「戦後」的価値観の崩壊と関連し合っていることだろうか、佐野眞一が最も戦後的だと呼んだ中内功は、ある意味、最も「戦後」に自らを合わせた人物であった、「戦後」が終わることで彼の時代も終わり、莫大な不良債権を抱えたダイエーという名の泥船だけが残った、一体「戦後」とは何が作り出したものだったのだろうか。個人的には全体を通して、そのような感想を持った作品だった。
 この「完本」カリスマは内容的にも、読みやすさの点でも日本国内に存在する評伝としては完成度の高いものだと言えるので、戦後やダイエー自体に興味を持っている方には買って損をするということは無いだろう。特に、本作品は佐野眞一のライフワークである「戦後」色が強い作品であるので、著者の思い入れも強く、読んでいて非常に面白い。ただし、著者自身が多少、中内功に入れ込んでいるところがあるので、その点には注意して読むべきかもしれない。
 
 
著者の思い入れが前面に ★★★★☆
この本は上巻と下巻では趣が少々異なる。上巻は「中内功とは何者であるか、なぜダイエーは発展し没落したのか」をさまざまな角度から分析する。対して下巻は長い長い追悼文、という印象。いろいろな登場人物に追悼の辞を語らせながら、著者の中内に対する尊敬と批判と愛惜が折り重なって表現されている。上巻は半生記の印象を受けるが、下巻では時は止まりこの世から去る主人公を文章で何とか引きとめようとするかのような哀しみに満ちたルポルタージュになっている。
読み進めると切なくなってくる ★★★★☆
中内ダイエーの誕生から消滅までを描いたうち、
下巻はまさに消滅に向けた下りの部分。

あれだけの勢いで駆け上ってきたのだから、
どれだけ華々しく散っていくのかといえば、
サイズはいささか大きいが、何のことはない、
よくある話に落ちて行ってしまったということ。

戦後のひとつの象徴だっただけに、読み進めると切なくなってくる。