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メタル・ウォーズ

価格: ¥1,785
カテゴリ: ハードカバー
ブランド: 東洋経済新報社
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原油より差し迫った金属枯渇危機 ★★★★☆
 実は石油資源より喫緊な金属資源の争奪戦を描く。ニュース的に事例を中心に並べたものだが、豊富な資料で飽きさせない。中国の資源外交と資源メジャーの再編、新興国への悪影響などが中心。意外だったのは、中国とメジャーの対立、そして中国だけでなく、メジャー自身、先進国での姿勢と新興国での裏の顔という二面性を使い分けていることだ。
 感想としては、中国の資源外交は大コケするような気がする。国内ですらまともにガバナンスできない組織が、他国でよりよい組織運営を行えるわけが無いのだから。
中国にきびしく日本にやさしい主張 ?! ★★★☆☆
レアメタル (希少金属) を中心に,世界で争奪戦をくりひろげる国や企業をとりあげている.中心はレアメタルの主要な産出国でありながらアフリカなどから輸入している中国であり,低賃金,わるい労働条件,危険など,その悪評が執拗にかたられる.日本では住友金属鉱山が積極的だというが,他国に負けるさまがえがかれている.

末尾では「日本人が [中略] 話し合いを責任を持って行えば,少ない予算で短期間に成果を出せるだろう」と書いている.この主張は理解できなくはないが,欧米や中国との対比はちょっと極端なのではないだろうか.
スイカを縦に割りたい!! ★★★★★
この本を読もうとしている方は、雑誌の東洋経済で資源特集号を読んだ方も多いかも知れませんが、雑誌よりも最新情報が満載されているように感じました。
日本のものづくりが抱える資源リスク、M&A、中国の資源外交が合理的な事実として示されているので、日本の立ち場や競争優位を考えると、内需(既存の市場)と顧客側のマネジメント(制度や規制)に課題があるのだと思います。

他のレビューにある投資される方への推薦は、同感です。
需給構造、地政学的背景、産業全体への影響など、投資関係の情報を選り分ける参考になると思います。
文章については、まったく気になりませんでした。
むしろ、切れ味の鋭い比喩が小気味良く、章ごとの初めにポイントがまとまっているので興味のある部分だけでも読めると思います。
強く印象に残っている表現は「生き返った恐竜」、「ついばむ鶏」、「風林火山」、「さあ行こう、一家をあげてアフリカへ」など。
自嘲気味の比喩表現が著者の現状認識を表しているのだと思いますが、実際に笑っていられないほどお粗末な状況に、日本が追い込まれつつあると思います。

資源とは直接関係ありませんが、温暖化の影響で沈むと言われているツバルに行く機会があり、著者の提案する「スイカの縦割」外交を展開すべき!という必要性を強く感じました。
国益を考えれば、サミット直前に温暖化対策の政治的デモンストレーションよりも、基軸のぶれない外交を展開すべきだと思いました。
鉱山開発の環境問題に迫る一冊 ★★★★☆
おおよそ、次の三本柱が書かれている。
「中国の資源外交の徹底した戦略、各主要鉱石メーカーの勢力図、鉱山開発の引き起こす環境破壊について」

中国の外交戦術は、資源に限定するとアフリカとの関係が有名だが、他にも意外な国と中国が仲良くする理由が資源絡みであることが本書で解り、興味深い。

鉱山が何故、環境破壊を引き起こすのか?また、破壊をストップさせるための新技術とは…?!
上記については、業界人らしく具体的に切り込んでいる。

確かに文章は不慣れだが、その分、現場の人が書いている感がある。
資源関係の株やファンドに投資される方は、一度参考にしてはいかがだろうか。
迫力はあります ★★★☆☆
中国が世界の資源を食い尽くしている、という現象について書かれている。中国がここ何年かでいかに金属資源消費を伸ばしてきているかという事実の指摘が興味深い。主要金属消費量は1990年以降毎年10%の伸び、しかもまだまだ成長余地がある(一人あたり消費で見ると、銅は日本の四分の一、アルミは日本の三分の一)。

ただし、一番興味深かったのは世界の大採掘場の環境破壊実態についての章。何万トンかの鉱物を採掘するのに、年間何千万トンもの廃棄物が出る。それを海に流したりする。パプアニューギニアのオク・テディ鉱山では、15万トンの銅と16トンの金を掘るのに、年間5千5百万トンの残滓が出るそうだ。ちょっと調べたが黒部ダムの貯水量の四分の一くらいみたい。4年であのダムがいっぱいになっちゃう量だからな、、、すごいんだろうね。こりゃ環境によくないわけないよね。

全体として文章も上手じゃないし(もう少しちゃんと校正して欲しいね)、構成も変だが、迫力は感じる一冊。