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ムーミン谷の冬 (講談社文庫 や 16-5)

価格: ¥390
カテゴリ: 文庫
ブランド: 講談社
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ムーミンの中で一番好きなお話のひとつです。お勧めです♪ ★★★★★
短編集も良いですが、長編では「ムーミンパパ海へ行く」と、
この「ムーミン谷の冬」が、ムーミンシリーズの中で一番好きです。

このお話は、今までムーミン谷に静かに暮らしてきた者たち、
繊細で、もの静かで、いつも影に隠れている者たちと、ムーミントロールとの交流が、
ムーミンにとっては未知の世界である冬と共に新鮮に描かれてゆきます。
明るく元気というよりもひっそり静かな冬のお話です。
氷姫のお話や冬至のお祭りなど、幻想的な雪の世界も素敵です。

でも、わたしが一番好きなのは、そんな中で出会った、
元気だけれどもちょっとはた迷惑な、ヘムレンさんのお話です。
ヘムレンさんがきたおかげで、物静かにおだやかに暮らしたい人たちの平和が
束の間、破れてしまったわけですが(笑)、みんな最後にちょっぴり元気をもらったような。
ムーミンが殻を破ってヘムレンさんに忠告した後の、
雪に対する想いや、贈り物を用意するシーンは、
ムーミンの物語の中でも屈指のすがすがしさを感じる名場面だと思います。
ヘムレンさんに憧れるけなげなサロメちゃんの小さな勇気もかわゆいし、、
ヘムレンさんが初めて自分の態度を見つめなおして、胸を熱くする場面も
短い場面ながら素敵でした。

上記のエピソードはアニメーションでは、かなり割愛されており、
サロメちゃんも出て来なかったので、
観たときには、ひそかにちょっとガッカリしたものです。
この冬のお話の、クライマックスの核をなすエピソードだと思うので、
「アニメは観たけれど、まだ本は読んでいないよ」という方には
この巻は、ぜひオススメしたいです。
冬の澄み切った空気 ★★★★★
素敵で静かな、それでいて少し愉快な、とびきりの世界。降り積もった雪の中に埋まれたムーミン谷。古く先祖代々から冬眠するムーミン一家の中で、たった一人だけ目覚めてしまったムーミントロール。寒くて、薄暗くて、何だか不気味な初めて見る冬の世界。恐ろしくて、心細くて、不安な気持ちのムーミントロール。でもムーミン谷は、そんな子供のために素晴らしい体験を用意していました。美しいけれど、見たものを凍らせてしまう氷姫。雪で作った綺麗な馬。愚かだけれど、素晴らしい尻尾を持つリス。隅っこの好きなご先祖様。小さくて怖がりだけれど、優しい心の女の子。暖まりたくとも、自らの冷たい心で火を消してしまう可哀想なモラン。姿を見せない恥ずかしがり屋の小さな生き物たち。物知りのおしゃまさん。
静かなこの世界には何かがいて、何かがあるようです。この人たち、皆完璧ではありません。でも、何とも愛すべき存在なのです。作者であるヤンソンさんの涼しくて清らかな心で見る世界は、全てがキラキラしています。子供のお話と思って読まないでいると、本当に大変な損をしてしまうでしょう。貴方の心がモランのように冷たく凍ってしまった時、何とも言えず孤独が身に染みる時、ぜひ読んでみてください。孤独も悪くはありません。
チビのミィのスケートは包丁 ★★★★★
包丁をスケートにしちゃうミィ
器用と言うか発想がミィらしい
春の大きさ ★★★★★
 「ムーミン谷の冬」は 懐かしい子供の頃を思い出させる。子供の頃に夜中に起きてしまい 眠れなくなった時の気持ちを そのまま童話にしたような感じだからだ。起き出して窓から見る外は真っ暗であり まるで昼間の風景とは違う。
 僕は そこで 布団の中にいることを選んでしまうわけだが ムーミンは果敢にも 外に出かけた。その話が「ムーミン谷の冬」だ。

 冬も冬なりに楽しいのは 夜も夜なりに楽しいという事と同じだ。ムーミンも冬の友達を見つけて十分遊びまわる。それでも 家族がいない寂しさは背中に貼り付いている。
 そうしてやってくる春の大きいこと!季節感という点ではムーミン谷のシリーズは実に巧みである。
 
もうひとつのムーミン谷 ★★★★★
あらゆる人生があることを教えてくれました。
偶然、目覚めてしまったムーミンと一緒に、もう一つのムーミン谷を覗いてみませんか??
おしゃまさんはじめ、冬にしか出会えない、いろんな人生に出会えます。