古の英雄譚を思わせる物語が、ユーモアにみちた口調で語られます。あっと驚く意外な展開で、読み手はただ巻き込まれるようにおとぎばなしの世界をつきすすむ、そんな印象でした。
著者による挿絵が不思議な世界に誘い込む効果を存分に発揮しています。明るい色調の水彩画で描かれた戦場の場面など、キリコ的な違和感のただよう素晴らしい絵です。クマがかわいい。