ドゥーワップのグループには一見単純な暗黙の了解がある。それは、グループ名を鳥（レンズ、フラミンゴズ）か車（キャデラックス、エルドラドズ）にちなんで名づけ、近所の路地の曲がり角かあるいは菓子屋の裏で2～4パートに分かれてハーモニーを練習し、恋人をどれほど愛しているかについて歌うということだ。当たり前の公式通りとお思いかもしれないが、実際にこの通りにおこなうのは決して簡単ではない。だが、ひとたびうまくいけば、この公式から20世紀で最も忘れがたく喜びにあふれた音楽が生まれるのだ。オリオールズ（「It's Too Soon to Know」）からフランキー・ライモン & ティーンエイジャーズ（「I Want You to Be My Girl」）まで収めたこのCD 4枚組セットは、まぎれもなく、1950年代から60年代初期におけるロックンロールのボーカルミュージックの決定的な入門盤と言える。（Percy Keegan, Amazon.com）