最高にして最強の第九
★★★★★
興奮する,感動するという点では他の第九を凌ぐと思う
ただならぬ色気を纏う名演
★★★★★
クラシックというジャンルは、
それがいかなる名盤であったとしても、いずれは他の演奏に取って代わられる時を迎える宿命にあるのだが、
唯一その可能性が極めて0に等しいと言われ続けているのが
この1951年に演奏された20世紀のカリスマ:フルトヴェングラーの指揮による
「ベートーヴェン:交響曲第9番」通称「バイロイトの第9」だそうだ。
そんな殿堂入りクラスの演奏だからこそ
同一録音からの板起こしなどといった方法でイロイロなレコード会社から
オニの数程のCDが商品化されていて、更には同一演奏者による同じ日の異なった録音のCDまでもが商品化されており、
それぞれにいい面と悪い面を併せ持っているぶん、それはまさに「カオスの世界」になっていて、
そこに足を踏み入れたくても非常に視界が悪くなっているのがホント、もったいないと思う。
そんななかでオリジナルのマスターテープを所有し、その音源からリリースされているこのEMI盤を
選択肢に考えてみるのもひとつかもしれない。
マスターテープからのリリースだからといって「いい」と言い切るのには、本当のところ
結論を急ぎ過ぎると思っているが、その付加価値は決して小さなものとは言えないのではないだろうか ?
問題視されている音質については古いモノラル録音なので、確かに客観的に見て「いい」とは言い難いが、
ティタニア・パラストの第5の音質を苦痛に感じないと思えるのなら問題ないと思うし、
個人的な感想を言わせていただけるのであれば、一般に言われている程ひどいとまでは思わない。
っていうか、この演奏は第一楽章の出だしからただならない雰囲気の色気に包まれているので、
できる事なら音質の壁を乗り越えてぜひ触れてみていただければと思っている。かしこ。
オリジナルジャケット
★★★☆☆
オリジナルジャケットが懐かしい。正規の版権を持つ日本のメーカーの製品だが、肝心の音質はさまざまなマイナーレーベルからさまざまに改善を施されたものや音が新鮮だった初期LPからのCD化がなされたものが出ており、価値は今ひとつ落ちたような感じだ。昨年末、Orfeoレーベルの放送局録音による同演奏無修正版というのが出て、影が薄くなるばかりだが、聞き比べてみるのも面白い。ただし、EMI盤ならイタリアEMIの全集を推奨する。
ORFEOD'R・バイエルン放送協会盤と同一日ライヴ録音なのか?
★★★★☆
第九のベスト盤として君臨してきたFurtwanglerの英EMI盤(1951.7.29バイロイトライヴ)は私も長らく愛聴してきました。今回輸入盤がORFEOD'OR(バイエルン放送協会・独Furt協会)から発売されて重要な疑義が生じました。即ち、両盤とも同日のライヴ録音なのか?、そのどちらかが”ゲネプロ”収録なのか?音楽評論家某氏の弁によると英EMI盤はEMIチーフプロデューサー・ワルター・レッグ氏(E.シュワルツコップの夫)がゲネプロと本番Liveを指揮者の同意を得ず密かに編集した可能性があるではないか?別日録音なのか?、同日Live録音なのか?誰かその真実をお解りの方はお教え下さい。ORFEO盤は第4楽章最終部分での金管の破綻がなく又、演奏途中で聴衆の咳を拾っている点で別録音に思われるのですが?
音源問題が残念
★★★☆☆
この演奏と異なる本番らしき音源がバイエルン放送にあり輸入盤として発売されている。本盤は編集の跡があり、ゲネプロとの編集の可能性があるといわれている。バイエルン盤は録音も自然で、コーダも決まっている。大部分が明らかに本盤とは別の演奏。このあとにあらためて本盤を聞くと、演奏前後の拍手も、有名なフェルマータの部分でのクレッシェンドなど不自然な部分が多いのは確か。本盤の演奏の価値が決して下がるわけではないが、戦後のバイロイト再開記念という歴史的意義のあるライブだっただけに、それに乗せられてきたのかと思うと残念です。バイエルン音源の演奏が聴けるようになったので是非そちらも聞いてほしい。