おおらかで心優しい犬のバムと、やりたい放題がかわいいカエルのケロちゃんを描いた「バムとケロ」シリーズの第4弾となる本書は、このシリーズの集大成ともいうべき1冊である。モノとヒトの集まる場所「市場」で、島田ゆかワールドのすべてが交錯するといっても過言ではない。グラフィックデザイン出身の作者によってページの隅々まで書き込まれた絵が最大の魅力となるこの絵本、生地屋に雑貨屋に骨董屋、そしてそこに集まるお客たち、どれをとっても見逃すわけにはいかない。別シリーズのガラゴも加わって、まるで神経衰弱のような楽しさである。(小山由絵)