クラ・カメ書中のクラシック
★★★★★
昨今はどうなのだろう、かってはクラシックカメラ関連の書籍が山程あった。大抵はライカブームにあやかっただけの安手な作りだったが。
本書はそのなかで異彩を放っていた。
バランスのとれた機種の選択、的確な解説、何よりも読み手が微笑んでしまう筆者の思い入れと傾倒ぶり、まさに誰にでも安心して奨められるクラカメ書中の標準書(クラシック)だった。
しゃれた小見出し、達意の文章はおとなむけの一級の趣味・教養書とも言えた。
さてかかる良書を今後一体誰が手にとることになるのだろうか?
デジカメに飽き足らなくなった世代が再度クラシックカメラに先祖還りすることが、はたしてあるだろうか?
圧倒的な天動説(デジカメ)世界の中にあって、それでも地球は回ると一人つぶやきながら旧いカメラでシャッターをきっているのが私です。
チョートク本より楽しいぞ
★★★★☆
新聞記者だった著者の薀蓄は、現場で、あるいは現場を離れてクラシックカメラを楽しんでいる様子が伝わる。いかにもといったロシアカメラ本やライカ本が跋扈する中、カメラへの愛着を伝えてくれる。妙な趣味性を押し付けないから楽しんでページを手繰った。
クラシックカメラと遊べる好著
★★★★★
元新聞記者らしく、歯切れの良い文体が魅力。カメラの解説も簡潔ながら正確。文量も適当で読みやすい。紹介するカメラもコダック35やパクセッテなど面白いものが多く、楽しめる。ちまたのライカ本に食傷気味の方にお薦め。