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まぐれ―投資家はなぜ、運を実力と勘違いするのか

価格: ¥2,100
カテゴリ: 単行本
ブランド: ダイヤモンド社
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言うことは分かりますが。。。 ★★★☆☆
私達が日頃接する情報の見方に一石を投じる内容の本です。
手元にあるデータを理解するには、手元にないデータも含めた全体像を先ず捉えなければ、歪んだ理解をしてしまう。手元のデータに何らかの相関性や関連性が見受けられたとしても、母集団全体を見れば、それは偶然にもそのような特徴を有するものの集合であるに過ぎない可能性があるからである、といったところでしょうか。
内容は理解出来ますが、1.日本語訳がぎこちなく頭に入りづらかったこと、2.同じ内容の繰り返しで中盤以降に飽きが生じてしまったことから星三つとしました。
たまたま成功しただけで奢るなかれ、運と実力の違い ★★★★☆
いつでもどこでも、運の良い人はいるが、それを実力を思い込んじゃいけないよということを、詳細に解説しています。言葉使いは乱暴ですけど、科学を専攻した人の特徴があり読みやすいです。この著者が「ブラックスワン」の著者であるとは知らずに読みました。
金融の世界では、当たれば大儲け、外れば破産あるいは金融システムを破綻に導きます。高をくくって失敗する事例は多いです。私、株式投資で、たった一つの株が業績好調で高値を更新しているために、全体のリターンを押し上げてくれています。お小遣い程度ですが、ほんと運が良かった。私の実力じゃないのだと、本書を読んで、さらに常に肝に銘じています。
一部要約 ★★★★★
「金融機関の関係者の言うことなど聞いてはいけない。すぐに破産させられてしまうだろう」

「確率とは、私たちの知識が不足していて、確実なことは分からないと認めることであり、自分の無知を相手にするためにつくられた方法である」

「私たちは結果として得られた富は見えるけど、富が得られる過程は決して見えない。おかげで私たちはリスクを忘れ、失敗例には全く注意を向けなくなってしまいがちになる」

「無能なファンドマネージャーばかりの母集団でも、ほんの一部のマネージャーはすごい運用成績を残す。つまり、その集団の中で一番の成績を上げる人の“最大値の期待値”は、むしろその母集団のサイズにかかっている。その結果、1番良い運用成績の数値は、平均から大きく乖離して、その乖離の要因は能力よりも運にある可能性が高い」

「人間は、目に見えるものや組み込まれたもの、個人的なもの、説明できるもの、そして自分の手に取って触れるものが好きである。つまり、自分の目に見えなかったり、個人的には関係ないものであったり、自分の手に取れないものを敬遠しがちになる」

ここでやめときゃ〜 ★★☆☆☆
本書は、表現に難がある(この著者は基本的に読者をイメージして書くなどということをしてない。恐らく「しない」のではなく「できない」性質のひとであろうが、このような分野では、それは著作の価値とは直接関係ない。しかし、あきれるほど文章下手だね!)が、内容は読む価値がある。まあ、マンデルプロと比べて云々といいたい人もいるだろうが、そんなに目くじら立てずとも良いのではないか。でも、続編の「ブラックスワン」はいけませんね。内容としては前作以上に書くことはもう持っていないし、表現力は皆無に近い(今風に言えば、全編「Twitter」である)のだから前作でやめときゃ良かったのに。例えは不適切だが、コミックのドラゴンボールの末期状態ですかね。あれよりは作者が書く気があるだけましかもしれないが。まあ、三作目は止めときましょう。
「ブラック・スワン」より遥かに良い本 ★★★★★
著者N.N.Taleb氏の名前は “Dynamic Hedging :Managing Vanilla and Exotic Options”(1997)を購入した時期から印象に残っている。知られたトレーダーではなかったし、有名な投資銀行で働いていたわけでもなかったが、エキゾチック・オプションのトレーディングに関する資料が限られていたので、迷わず購入した。数学も難解で理解出来ない点が多い本であったが、所詮「知る者は言わず、言う者は知らず」の世界だから、それ以上追求することはしなかった。タレブ氏の”The Black Swan”はアメリカで話題になった時期に購入したが、この本は持って回った英語表現が難解で、退屈でもあったので、途中で放棄してしまった。「ブラック・スワン」(2007年)に先立って話題になった「まぐれ」(2004年)は邦訳を購入し、長らくツンドクになっていた。「ブラック・スワン」が邦訳され、それなりの評判になっているので、「まぐれ」を読むことにした。マンネリ映画「男はつらいよ」寅さんシリーズがその好例であるが、シリーズの第一作が傑作であることが多く、「まぐれ」が好著であることを期待して読み始めた。

 「まぐれ」”Fooled by Randomness”は素晴らしい本である。このような本を書いてみたいと思ってきたが、大事な時期にいい加減な文系の学生をしてしまった浅学非才の私(タレブ氏が繰り返し馬鹿にするMBAでもある)には、とてもこれだけの厚みを持った本を上梓することはできない。しかし、この本の内容は、優秀な理系の部下との議論で理解した数理分析の限界、あるいは実務を経験すれば、自ずと見えてくる金融理論と現実との大きな乖離から理解してきたこととほぼ一致しており、よくぞ数理分析人の内側から、ベストセラーになるような文系にも理解出来る言葉で、トレーディング、リスク分析や金融工学の世界では理解出来ていないことの方が圧倒的に多いことを整理してくれたと思っている。「金融工学者たちは、将来を予測する道具として過去のデータを使い、リスクを計測する。分布が定常的でない可能性があるというだけで、彼らのやり方は完全に間違っていて、そのうちとても高い代償を払うことになるとだけ言っておこう。」といった部分は、現在の金融危機を予見していたとも言えよう。しかし、タレブ氏がバカにするほど、マートン教授やショールズ教授、あるいは誠実な実務家はバカではない。データ・ベースを整理しなければ、実証的な説得力を持たないことは直ちに理解出来るわけで、少なくも日本では、そのために将来の利用を前提に倒産・信用リスクのデータ・ベースを国の予算で蓄積を始めて数年になっている。マートン教授もショールズ教授もK.ポッパー程度は読んでおり、今の市場が効率的であるなどとは言っていない。「白鳥の湖」を見れば、黒い白鳥の可能性は幼い女の子でも理解出来てしまう。

 よくぞ書いてくれたというべき素晴らしい本であり、黙して語らぬ曲学阿世の徒や偶然に成功したのに大きな顔をしている連中に、多くの批判の目を向けさせた本書の貢献は、「ライヤーズ・ポーカー」以上かもしれない。しかし、読むのに疲れるし、読み終わった後で、もっと簡潔に書けたではないかと感じてしまう。

 2時間で読めてしまうロクデモないベストセラーが跋扈するわが国と、この本ように、良い意味でしつっこい知的挑戦を試みた本がベストセラーになるアメリカないし世界のレベルとの格差は大変に気になるところである。この格差を埋め切れなければ、わが国が知的産業で立国することは出来ないだろう。

 本書は、破格の良書で、一人でも多くの人が我慢して読みきって欲しい。そうすれば、一握りの悪人が大衆を無視して世界や国を振り回すようなことになるのを防げるように思われる。

スムーズに配送していただきありがとうご… ★★★★★
スムーズに配送していただきありがとうございました。