彼女は自分の事を「音楽家」と言っていますが、
それを証明する作品が、このアルバムだと思います。

どの曲もどこかひんやりとした耳触りをしていて、
自分を重ね合わせて聞いて一緒になって沈んでゆくっていう聞き方（これは椎名林檎の初期にはよくあるタイプでした）ではなく、
ひとつの構築された音世界を外側から仔細に鑑賞するような、そんな楽しみ方を要求するアルバムです。

このアルバムで彼女の示した大きな変化は、ここにあります。
だから、今までと違った、という方もいるかもしれない。

しかし、このアルバムを楽しまないのは、もったいない！！！
「私は音楽家よ！！」と言わんばかりに、このアルバムは完璧に構成されています。
ぜひ、耳を凝らしてじーーーっと味わってみて下さい。凄く有意義な時間が味わえると思います。傑作ですよこれは。

「無罪モラトリアム」と「勝訴ストリップ」が大好きなので、「三文ゴシップ」にも凄く期待をして買いました。一回目、がっかりしました。「旬」だけしか気に入らなかった。でも何度も聴いていく内に、じわじわっと良さが分かって来て、椎名林檎って凄いなぁって感心しました(笑)

昔のルパン三世とかを思い起こさせるような曲調や、ブルース？とかヒップホップ系とか、新しい試みっていうのか、ジャンルの枠にはまらない「椎名林檎」が楽しめます♪

私はもともとソロより事変が好きで、今回のアルバムは「試聴して良かったら買ってみようか」程度に考えていたのですが…。 試聴してみて、あまりの歌声の酷さにビックリ。あれ、林檎ってこんな声だったっけ?って思うくらいの「ヤギ声」。悪い意味で鳥肌が立ちました。購入を思い止まり、今だにレンタルすらしてません。2月に発売された事変の「スポーツ」ではヤギ声は気にならなかったことを考えると、今の椎名林檎の歌声には、オーケストラよりバンドサウンドの方がいいんじゃないでしょうか。
私が東京事変、椎名林檎を好きな理由は「面白くて個性的な音楽をやっているから」なのですが、このアルバムに関しては「面白さ」より「ヤギ声」しか印象に残らなかった為、この評価です。ただ、丸の内サディスティックEXPO.verだけは素晴らしかった。この曲だけダウンロードしました。

変わってしまった、という意見もあるようですね。
私は林檎さんと同い年で、林檎さんの音楽と共に歳を重ねたせいか
この変化？は自然の流れのような気がします。
ここへきて、勝訴などと同じようなアルバムだったなら今出す意味もわからないし。

言葉は丸くなっている。
いわゆるロックサウンドではない。
でも楽曲は、聴けば聴くほどにいいなと純粋に思いました。
それに、曲のドラマチックな感じとか繊細な感じは
むしろあまり変わっていないのではないかと思います。
どう聴いても椎名林檎の作品です。

今現在にしか興味がないってデビューの頃から言ってますが
まさにそうして歳を重ねてきた彼女の音楽や歌詞には、同じ女として大いに共感が持てるし
何より音が美しい。
椎名林檎の様々な唄声が聴けるのも嬉しい。
久々にスピーカーの前から動かない休日を過ごしました。

色恋沙汰なんて最高ですよ。
うきうきしながら歩けます。

聴くたびに感心させられるアルバムです。
現時点では世界的にみてもこんなヴォーカリストは数少ないと思います。