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首相支配-日本政治の変貌 (中公新書)

価格: ¥882
カテゴリ: 新書
ブランド: 中央公論新社
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今だから読みたい一冊 ★★★★★
政権交代の可能性が強い8/30投開票の衆議院選挙を目前に控えたこの時期に本書に
出会えたのは幸運だったと言える。93年細川政権発足に伴う55年体制崩壊から05年、
小泉政権下での刺客騒動を伴う衆議院選挙まで、日本の政治体制の変化を分かり
やすく、しかし高い内容レベルを維持して解説してくれる本書は秀作というに相応しい。
もちろん来る衆院選挙後に読んでも面白く読めること請け合いである。
小泉政権を分析する読みやすくためになる良書 ★★★★★
 なぜ、あれほど強権発動できたのか、小泉政権の強さの秘密を分かりやすく、おもしろく書かれた、素人でも読める良書です。
 著者のあとがきでも書かれているとおり、とにかく、読みやすく、小泉政権の本質的な分析がなされています。
 小泉政権が長期政権となった理由として、選挙制度の変更による総理総裁の権限の強化、小泉首相による派閥操縦、対立軸の作成があげられています。
 ぜひ、一読してほしい良書です。
細川がつき橋龍がこねし天下餅 すはりしままに食ふは小泉 ★★★★★
「織田がつき羽柴がこねし天下餅 すはりしままに食ふは徳川」という狂歌があるが、その内容の歴史的事実に対する当否は別として、本書は、記憶に新しい小泉元総理がその総理の権力を見せ付けた小泉劇場の準備が、総理総裁の権力行使を可能とした選挙制度改正(小選挙区比例代表並立制)・中央省庁の再編(大蔵省改革、官邸機能の強化)の諸制度の改革の上で可能であったことを実証する書といえる。 
 安倍・福田政権は、この「首相支配」・総理の権力の使い手になる要件である、「次の選挙の顔」・世論の支持を欠けると与党内で看做され、個々の議員に「再選の障害・議員生命の危機」を感じさせたことが、政権崩壊・投げ出し要因と考えると本書の延長上で理解可能だ。
 著者の竹中治堅の手法は、豊富な公開資料により政権内部とその周辺の動きを追いながら、制度改正の効果を測定する。
 橋本政権によって準備された財政と金融の分離が、麻生政権によって逆コースを歩もうとしているかに見える。これが、総理の権力の弱体化への序章となるものか注目される。
願わくば2001年体制がきちんと機能しますように ★★★★★
私が20代を過ごした1990年代というのは、戦後日本の政治が最も混迷した時代だったのだろうと思います。 バブルの崩壊という未曾有の経済危機おいて、首相はめまぐるしく変わり、自民党は政権の座から滑り落ちたかと思えば社会党の党首を戴いて復活したり、雨後の筍のように新党が結成されては消えて行ったり―。 それに対してテレビを始めとするメディアはこぞって政治家の無能さを強調かつ嘲笑していましたが、若者の政治離れを嘆く声も、その当のメディア側から聞こえてくるーという有様でした。  そういった、どちらかと言えば不愉快な時代の政変について、ここまで詳細でわかりやすい分析を行った、私とまったく同世代の竹中氏には実に頭が下がる思いです。 こういう人がいるのですねえ。

氏はこの本の中で、日本の政治における首相の権限が強まった新たな“2001年体制”を、細川・橋本時代においてまかれた種が、小泉時代において花開いたものであると、分析しています。 55年体制下においては、首相の責任の所在と権力の所在が一致しなかったのが、2001年体制はそれが非常にすっきりわかりやすくなったーと。 その詳細は本書を読んでいただければわかりますが、その2001年体制、この本が世に出てから2年が経過した今、果たして本当にうまく機能しているのでしょうか。 非常に足腰の弱かった安倍政権、なんとなく55年体制の名残のような福田政権―。 それ以上に、私は本書を読んで、当の竹中氏自身、はたしてこの新しい体制にも、本当に諸手をあげて賛成しているのだろうかーという感じもしました。 “日本の民主主義の質も深化を遂げたのである”という一文があるだけで、それ以上期待を抱かせるような書き方をしていないのは慎重さのなせる業なのか、それともこれまでとまったく違った体制のあり方に漠然とした(私自身もそうなのですが)不安を感じているのではないか、ともとれます。 これは私のまったくの印象なのですがー。  いずれにせよ、今後この本は、この時代の日本政治史を考察する上でスタンダードな一冊になるのではないでしょうか。 私と同世代、次の世代に属する方にも断然お薦めです。 
日本政治変貌の原因 ★★★★★
 戦後の歴代内閣の中では,小泉政権のリーダーシップが際だって強いものとなっています。このリーダーシップの強さの源泉を小泉純一郎のキャラクターに帰するイメージがありますが,この本ではそれを否定し(一定の影響は当然ありますが),日本政治の構造が変化したことがその原因であると明示してくれています。そして,その変化とは,1990年代の政治改革による自民党総裁の権限強化と,中央省庁再編による内閣総理大臣の権限強化であると述べられています。

 詳細は本に譲りますが,上記二点の指摘は的確で,論理的にも納得性が非常に高いです。また,細川内閣誕生から郵政解散までの政治過程を振り返る形で論述を進めてくれているので,ここ15年の政治を振り返る機会にもなり,一石二鳥の著作だと思います。おすすめです。

 個人的に印象に残った点は,橋本龍太郎元首相は日本政治に良い置きみやげを残してくれた政治家なんだと認識が新たになった点です。橋本龍太郎がいなければ,現在の小泉純一郎は生まれなかったし,また,この先日本が機動的な国家運営をなすことはかなわなかったのではないかと思います。