実力アップが期待できる問題集
★★★★★
目次
第一章 一つの文の成り立ち
第二章 言葉と言葉、文と文のつながり
第三章 書くことの第一歩
第四章 登場人物の気持ちを読み取る(1)
第五章 すじ道を理解する
第六章 登場人物の気持ちを読み取る(2)
第七章 ひゆ・ぎ人法と詩・きゃく本
第八章 四年生の復習
ページ数は問題部分だけでp181あります。5年生用、6年用の論理エンジンも、コンセプトは、4年生用の論理エンジンと同じです。
大手塾で使用されている、単発の問題がジャンルごとに分類されて載っている問題集では、なかなか国語の記述問題の点数がアップしなかった生徒が、この問題集を使ったら、短期間のうちに、正確な回答ができるようになりました。
本書の長所は、1、問題の本文を短めに分けて、その短めの文章ごとに問題をつけてあるので、子供が問題演習をするにあたり負担が少ない点、2、中学入試必須の国文法の知識を文章作成の側面からもう一度確認させてくれる点、3、それにより文章記述力がアップするように問題集が作られている点、です。
最近の中学入試の国語の問題では、文章の作成力が直接間接に問われているので、その意味でも、単に問題をジャンル分けしただけの問題集より、やってみる価値は高いと思います。
ただ、難点は、1、解説が薄いこと、2、点数をつける形式ではないため、子供の上達度がはかりにくいこと、です。
2に関しては、子供のやる気を引き出すためにも特に重要だと思いますので、改訂版などで点数制を導入してもらえたら、さらにより良い問題集になると思います。
ちなみに、本書で身につけた国文法の重要知識は、中学からの英語の学習でも、基礎知識として役に立つと思います。
スタンダード
★★★★★
最近多く出版されている出口モノのスタンダードとなるべきものだと思う。
ただし、自学自習には向いていない。
あくまでも、親か家庭教師がついてという前提で。
また、そもそもこのドリルを自学自習できる子は、これをやる必要がない。
やったところで効果は薄い。
お薦めする方のモデルとしては、
中学受験を目指している子供がおり、
いまひとつ国語の成績が伸びない(大手塾の偏差値で55以下)
というお子さんをお持ちの方で
ご自身がそこそこ指導できるあるいは家庭教師が雇える方であろう。
しかも、できるだけ短期間に仕上げてしまうほうが効果は顕著だろう。
おそらく、本書終了後の偏差値は想像以上に伸びているだろう。
僭越ながら、我が家のやり方を紹介させていただく。
せっかく美しい日本語が課題文として用いられているので、音読させた。
まず、課題文を2回音読。
その後、問題文を一度音読し、どんなことが問われているか簡単に頭に入れた上で、
課題文をもう一度音読。
それから解答させた。
また、音読させるときには、一度目は、自分が理解できるように、
二度目は、その理解が深まるように、
三度目は、教室でクラスのみんなに読み聞かせるつもりで感情をこめて。
このやり方だと、読み方の巧拙で、だいたいどれぐらいその文章を理解しているかわかる。
さて、効果のほどだが、ばらついていた偏差値がほぼ一定になってきた。
これは、今までは、自分独自のイメージで読んでいたために、
イメージと内容が一致しているときは非常に高い得点であったのだが、
イメージと内容が異なるとぼろぼろという状態から抜け出て、
正確に読むつまり論理的に読むということができるようになったのだろうと考えている。
子供いわく、「きちんと読んでいけば、正解が浮かんでくる。」
また、よくできるお子さんは1学年上のものをやるといいだろう。
副次的な効果として、
算数において、ちょっとした勘違いによる間違い(いわゆるケアレスミス)が
ほとんどなくなったことが挙げられる。
論理エンジン、恐るべし。
指導つきなら問題集として最強クラスは間違いなし!
★★★★☆
★★★★★(指導者あり) ★★★(指導者なし)
上記の補足として、本書は、かなり言語能力の発達した(国語力のある)小学4年生であれば概ね独習可能であるが、
普通のお子さんが、解答・解説を活用し理解しながら独習するのは厳しいかも知れません。
指導者に見てもらいながら学習するのが望ましいし、学習効果も倍増する。
可能なら下見にて確認されたし。
本書の最大の目的は思考力の養成であり、そのため、一章から順に文章を読み、それぞれの設問に答える中で、
自然に読解力、文章力、論理的思考力などを養えるように構成されている。
さらに、『蜘蛛の糸』や『赤とんぼ』などの日本の名作が問題文の題材となっているので、
美しい日本語にも触れられ、その上中学入試問題も収録されているので実践的だ。
尚、『出口汪の新日本語トレーニング 基礎国語力編上下』の定着度を測るための問題集として活用するのもベター!
国語の得意でない息子に効果あり
★★★★★
塾のテストで偏差値が50前後、ひどい時は40であった息子に対し論理エンジンを始めました。5年生の息子なのですが、あまりにできないので4年生から始めて見たのですが、効果がありました。
まず、文章の違いを押さえるポイントはわかってきたのか、選択肢を間違えなくなってきました。また、要旨を欠かせるポイント(主語、述語が基本。字数の余裕があれば目的語などを加える)もわかってきたのか、記述もかけるようになってきました。
最近は、悪くても55、良いときは偏差値が60を越えることもあり、おどろきです(漢字は、いつも半分くらいしか書けていません)
でも、やらなくなってしばらくすると、成績が下がってくるので、まだ本当に身についていないのかもしれません。このシリーズはしばらく継続しようと思っています。
また、論理エンジンシリーズで6巻まであるものは、これまた取りあげているお話が面白いようで、熱心に文章を読んでいました。
言葉は人間関係の命
★★★★☆
言葉は人と人とのコミュニケーションに欠かせない道具ですが、相手を理解するためではなく、自分を主張することに視点を置きすぎる昨今と
感じられます。どちらにせよ、正しい日本語、ただしい言語を習得することは、すべての基本であり重要なことがらであると思っております。
さまざまな国語力アップのための教材を試してきましたが、なかなか満足のいく成果を得られずにきました。論理エンジンは今までのものとは違うと感じられますし、登用している内容も選りすぐられたものなので
生徒にも安心して薦められます。