香水と誕生日
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誰にも冒しがたい、彼女たちの肖像
女も男も、片岡義男の小説の登場人物には
他の作家に例を見ない魅力が備わっているけれども、
「では、男女のどちらがより魅力的か?」という
酔狂かつ、いささか不毛な問いを立てるとすれば
やはりどうしたって「女性」と答えることに躊躇はない。
誕生日が同じ週に集中している同年齢のそれぞれに
魅力的な女性たち。口説かれることを楽しむ女性たち。
過去と向き合い、それが現在の自分に及ぼした影響を
冷静に分析する女性。ミステリーのヒントを探し求める女性。
それぞれの女性のあざやかな輪郭が浮かび上がる短篇集。
【目次】
猫を着る
花なら赤く
香水と誕生日
平行線
お腹が痛い
脱いだ服
あの星とこの涙
深夜の防波堤
日曜日の買い物
ある日の夕食
濡れた髪
ミステリーを書く人
【著者】
片岡義男
1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。http://kataokayoshio.com/