本書は、自己の潜在能力を最大限に発揮した、ちょっと滑稽(こっけい)なくらいとっぴな男の子と女の子の1日を交互に追っていく。そこから著者は、「ほんの少し自信をもとう」と呼びかける。2人の登場人物は代わり番こに話したり、言葉の途中で相手に交替しながら、なぜ、どのようにしたら「自分を好きになれるか」を説明していく。たとえば女の子が「先生に指されて立たされたとき、私は私が好きになる。だってアルファベットも他人の好奇の目もわかっているもの」と言うと、男の子は「答えを間違っても、僕は僕が好きになる。僕の定規は10インチの長さと考えるのと同じくらいに」と答える。朝起きて学校へ行き、お昼を食べ、そして誕生会へよばれて、最後にベッドに入るまで、こんなやりとりが続いて、あらゆることに、小さな自信をもたせてくれる。
カーティスによる、リズミカルな言葉の反復を、子どもたちは喜ぶだろう。しかしそれにも増して本書を際立たせているのは、ニューヨーカー誌のロズ・チャストを思わせるコーネルのいたずら書き風イラストだ。空想の中でのファッションショーの花道から(気取った報道陣がおもしろい)、愉快なお昼のごちそうまで、おどけた顔やたくさんのユーモアでいっぱいだ。なかでも傑作なのは、女の子のペットのカメが、ケージの中の回転ドラムでエクササイズをしている場面。となりには、『Exercising Your Illegal Turtle』というタイトルの本が置いてある。(Paul Hughes, Amazon.com)