コアな「はしっこ」ではないが、それなりに楽しめる
★★★★☆
軽快なエッセイである。
私の知人で、半島の先っぽをコツコツと制覇している人がいる。
そういうところはバス便が1日1便とかだったりして、
なかなか悪戦苦闘らしい。
「はしっこに行ってみた」
だから、そういうところかな……と思っていたが、
要するに「僻地」ということだった。
山陰を巡り、猫で有名な情島に行き、網走に行き、下北半島へ行く……
いずれもわびしい土地ばかりだ。
しかし、情緒あふれる「田舎」でもある。
文章は軽快で読みやすい。女性読者がターゲットのようだが、
男性が読んでも充分楽しめる。
しかめ面をした旅日記ではないから、読後感も
いい意味で軽い。こういうライトなトラベルエッセイも面白い。
本書で取り上げられている土地の半分ほどは、すでに訪れているのだが
残りは行ってない。いつか行ってみたいと思わせる本である。
今度は岬巡りを書いてほしいところである。