多数のカラー写真で見せる、戦後ニッポンのモダン建築!
「モダニズムに始まり、モダニズムに帰る…」という仮説に基づいた日本建築のヒストリー。
1950年代から2000年代、そして2012年までの、戦後の“モダン”建築を写真やイラストとともに約110の作品を紹介。10年ごとに区切られた各年代の概要や、その時代の代表的な建築家にも焦点を当てる。
以下、主な各時代の代表的な建築家と登場作品。それぞれに住所と解説が付くためガイドブック的な使い方もできる。
1950年代は「前川國男」の時代。
東京日仏会館、最小限住宅、都営宮益坂アパート、世界平和記念聖堂、広島平和記念資料館、晴海高層アパート、四谷コーポラス、東急スカイライン、香川県庁舎、スカイハウス、東京タワー、国立西洋美術館……など。
1960年代は「丹下健三」の時代。
東京文化会館、ビラビアンカ、国際屋内総合競技場、科学特捜隊本部、国立京都国際会館、パレスサイドビルディング、大分県立大分図書館、塔の家、霞ヶ関ビル、代官山ヒルサイドテラス第1期、新宿一番館、二番館……など。
1970年代は「磯崎新」の時代。
大阪万博、積水ハイム M-1、三田綱町パークマンション、ビラ・セレーナ、中銀カプセルタワー、滋賀県文化公園希望が丘「青年の城」、目黒エンペラー、ノアビル、アクアポリス、中野本町の家、渋谷109、名護市庁舎……など。
1980年代は「安藤忠雄」の時代。
つくばセンタービル、有楽町マリオン、シルバーハット、つくば科学万博、スパイラル、ライズ、ヤマトインターナショナル、キリンプラザ大阪、光の教会、アサヒスーパードライホール、東京都葛西臨海水族館、和泉の木戸……など。
1990年代は「伊東豊雄」の時代。
青山製図専門学校1号館、ワタリウム、東京都庁舎、江戸東京博物館、東京デザインセンター、ヒューマックスパビリオン、布屋東京ビル、オウム・サティアン建築群、東京ビッグサイト、東京国際フォーラム新国立劇場……など。
2000年代~は「妹島和世」の時代。
hh style.com、NTTドコモ代々木ビル、せんだいメディアテーク、ルイ・ヴィトン表参道ビル、プラダブティック青山店、六本木ヒルズ、高過庵、表参道ヒルズ、東京ミッドタウン、根津美術館、東京スカイツリー……など。
他にも、10年ごとに特撮怪獣が登場したり、ポストモダン期の建築・インテリアをモチーフにした小説も掲載されるなどポップな内容。進行役は「ダエンちゃん」というバブル女子のキャラクターが行なう。
●喜入時生(きいれ・ときお)
1961年福岡県生まれ。ライター/編集者。1980年代に設計事務所勤務の後、1990年代は建築専門出版社で月刊誌等の編集業務を行う。2001年よりフリーランスとして活動を始める。建築・インテリアデザインを中心に、グラフィック・プロダクトデザイン、アート、サブカルチャー関連などの企画・取材・執筆・編集業務を、雑誌・書籍・web等の媒体で展開中。企画・編集に『別冊みかんぐみ』(エクスナレッジ)など、著作に『建築模型製作完全ガイド』(誠文堂新光社)などがある。
●高橋哲史(たかはし・てつし)
1960年千葉県生まれ。インテリアデザインナー。株式会社メイドイン代表取締役社長。株式会社設計工場を経て、2003年に六本木に設計事務所、株式会社メイドインを設立。飲食店などのインテリアデザインを行う。そのほか、企業PR施設の企画や演出、公園遊具の設計、ユニバーサルデザインの提案、イラストの制作を手掛ける。子どもの遊具から大人のためのレストランの設計、そして高齢者に向けた施設までと幅広く設計活動を行っている。