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楽しい高校物理

価格: ¥0
カテゴリ: Kindle版
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 高校に入学してはじめて学校で物理学の授業(ニュートン力学の授業)を受けたときの事を覚えていますか? 筆者の場合、難しいとか難しくないとか以前に、さっぱりわけがわからず、途方にくれた経験をしました。これはまるで、悪夢の中で道に迷っているような、筆者にとって最悪の体験の一つでした。筆者の体験によれば、この困難の原因は、物理で使われる特殊な用語の解説が、十分に時間をかけてなされないままに、議論がどんどんすすんでしまう事にあると考えます。
 実はニュートンの法則のキモを日本語で言うと、「物体に力を加えると加速度が生じる。但し、その物体の質量が大きいほど、その加速度は小さい」、の一言に尽きます。ニュートンの法則によれば、物体の加速度は
物体の加速度=物体に加えられた力÷物体の質量
という式によって、求められます。「力」はどのように実測されるのか?「加速度」はどのようにして実測されるのか?「質量」はどのようにして実測されるのか?を本書はイラストを多用してビジュアルに説明します。
 さて、ある物体の質量と物体にかかる力(例えば重力など)とが何らかの方法で実測されているものと仮定しましょう。すると、現在の、その物体の速度が分かっている時に、現在の加速度をニュートンの式で計算すれば、次の一瞬後(例えば、0.15秒後)のその物体の速度が計算で予測きます(次の一瞬後の速度=現在の速度+現在の加速度×0.15秒)。次の一瞬後の加速度をニュートンの式を用いて同様に計算すれば、次の次の一瞬後の速度が同様にして計算で予測できます(次の次の一瞬後の速度=次の一瞬の速度+次の一瞬の加速度×0.15秒)。これを連続して繰り返せば、ずっと後の時間までの各瞬間におけるその物体(例えば、重力を受けている物体)の速度が予測できます。各瞬間の速度が分かれば、各瞬間における移動距離が分かります(各瞬間における移動距離=その瞬間における速度×0.15秒)。各瞬間・各瞬間の移動距離を足し合わせれば、物体の未来における任意の瞬間における位置を、時間の関数として計算できるのです。高校物理の力学の最重要部分は、「物体の運動の軌道を計算する方法」であり、これは、たったこれだけの説明で、もう、半分以上理解できてしまったことになります(詳細は本書の中でページを惜しまずに説明してあります)。高校物理に出てくるほとんどすべての法則や公式や計算は、この、「物体に力を加えると加速度が生じる。但し、その物体の質量が大きいほど、その加速度は小さい」、という法則を基にして論理的に考えると、導出することができます。その導出の方法も、本書ではページを惜しまずに解説してあります。
 一瞬=0.15秒、を、一瞬=0.10秒、一瞬=0.05秒、といった具合に、「一瞬」の時間区切りを減らしていくと、計算による予測の精度がどんどんと上がっていきます。ここで、時間区切りを限りなく「一瞬=0秒」に近づけて、計算による予測の精度を無限に上げたときに、「位置や速度の計算予測値が究極的にはどんな値に近づいていくかを正確に見積もる、数学的な手法」こそが「微分・積分」なのです。本書は、高校物理学の全般をもれなく扱う方針ではありません。むしろ、高校物理で理解が困難な力学の基礎に焦点をあて、微分や積分の計算方法の導入などの、重要性が高い箇所ではイラストを用いて概念をビジュアルかつ端的に表現しました。実は、本書のイラストをご覧になりさえすれば、あとは、足し算、引き算、掛け算、割り算の知識だけを用いて、微分・積分の計算テクニックは、マスター出来るのです。電卓を片手に、本書の数式を見て、計算してみてください。ここさえ押さえれば、高校物理の残りの部分の理解もスムーズに行えると信じます。
 高校で学ぶニュートン力学は、学問としては最も歴史の古いもので、以降にあらわれた多くの学問体系は、ニュートン力学を手本にして構築されました。そのため、ニュートン力学をじっくりと学ぶと非常に広範囲の学問分野に親しみを覚える事ができるようになります。本書では、様々なエンジニアリング(工学)へのニュートン力学の応用例についてイラストをまじえてひととおりの解説を準備しました。それに伴い、大学で学ぶ電磁気学や熱学・統計力学などの高度な知識を、きわめて素朴なイラストで端的に表現しました。
 実は、地球温暖化問題(気候変動問題)の正確なメカニズムは、大学レベルの物理学の知識がなければ、理解不能なので、世の中でこのメカニズムをちゃんと知っている人は極めて少ないのですが、本書を読めば、地球温暖化問題の物理的メカニズムを視覚的に理解できます。地球温暖化問題に関して新聞・雑誌に出てくる関連記事を、読者独自のビジョンをもって読めるようになるような、情報提供ができるようにこころがけました。
 今は高校生でも、将来社会人になった時にはは社会の発展に主体的に関わっていこうとと考えておられる方には、本書は将来、物理学等を道具として用いて様々な判断をしていくいくうえでの、基礎的な指針を提供できるものと確信しています。
 本書は、高校物理学を楽しく理解できるための解説を提供することを主目的とはしていますが、学校での高校のテストで点数をかせぐためのアドバイスも、ピンポイント的に掲載しています。
 すでに、高校を卒業して大学に入学していたり、社会人になられた方で、ふと、高校の物理学を復習したくなった方についても、本書はおすすめです。ご子息・ご息女がいらっしゃる方は、本書を用いて、お子さんと一緒に楽しく勉強してあげてください。