【セブン-イレブンで24時間受取りOK・送料0円!】 著者/訳者名:永井するみ/著 出版社名:集英社 シリーズ名:集英社文庫 な39-2 発行年月:2009年10月 関連キーワード:ホシイ シユウエイシヤ ブンコ ナ-39-2 ほしい しゆうえいしや ぶんこ な-39-2、 シユウエイシヤ シユウエイシヤ 3041 しゆうえいしや しゆうえいしや 3041、 シユウエイシヤ シユウエイシヤ 3041 しゆうえいしや しゆうえいしや 3041 人材派遣会社を営む紀ノ川由希子は42歳、独身。恋人には妻子がいる。愛しているのに、会えば会うほど飢えていく-そんな心の隙間を埋めるため、逢瀬の後はいつも派遣ホストを呼んでいた。ある日、恋人が不慮の死を遂げた。若い女をストーキングした挙げ句、歩道橋から転落したという。彼がストーカー?不審に思う由希子は、真相を探り始める。男と女の欲望を精緻に描く、傑作長編ミステリー。
面白かったです!
★★★★☆
永井するみほど女性心理の描写がうまい作家は数少ないと思う。
人材派遣会社を経営する由希子、42歳が軸となって話が展開して行くが、ラストに近づくにつれどんでんがえしの面白さがある。
そこかしこに人間のずるさ、要領のよさが現れ、何とも言えない気持ちになるが真実が明らかになった時は胸を撫で下ろした。
願わくばラストまで悪事がばれなかったテルにいつか天罰を与えて欲しい。
心理描写が細やか!
★★★★☆
人材派遣会社を経営する由希子は、42歳の独身。恋人とは不倫。帰っていく恋人を見送り、出張ホストのテルで寂しさを埋める。彼女の会社に登録し、恋人の会社に派遣している、ある子持ちの離婚女性のトラブルが徐々に波紋を広げていき...
社会的には成功を収めているものの、寂しい女性である由紀子と、離婚し、子供を抱えながらも前夫のせいで定職に着くこともままならない、ありさ。成功者であるはずの由紀子は、ありさに羨望を覚えたり、かといって、恋人に対して自分の気持ちをぶつけることもできない。プライベートな部分で非常に不器用な由紀子を通して、女性の気持ちが非常に細やかに表現されており、するりと読むことができる。ラストも現代社会の暗部を見るようで鮮やか。この後どうなるんだろう、と想像させてしまうぐらい、物語にひきこまれてしまう。他の作品も読んでみたいと思わせる作品でした。
ミステリーとして完璧
★★★★☆
「ダブル」を読んでから、こっちを読みました。両方とも良かったです。女性の心理ってこうなんだ、とよくわかりました。ホストにはまる女性って、偏見があったんですが、こんなふうに相手をしてもらえれば、女性は幾らでもお金をだすだろうなあ、と納得できました。
ミステリーとしても良くできています。普通ミステリーって最後の所で、がっかりさせられるものが多いですが、「欲しい」では、ジグソーパズルの最後の1駒がぴったり収まって、完結という感じで、すっきりしました。
ただあまりに、完璧過ぎて、軽いという感じは否めません。もっと深く心理に迫る物を期待しています。女性のドロドロとした心理も描いて欲しいですね。ポスト宮部みゆきナンバーワンです。
各人の思惑が交錯する
★★★★★
派遣会社を経営する美貌の女性社長と、一流企業の取締役の不倫。よくある都会小説の設定だ。しかし出張ホストのテルがからんで、トレンディーな面白さが出てくる。更に面白半分のネカマに翻弄される出会い系サイトが、勘違いからのストーキングを引き起こす。
この辺の心理劇がぐんぐん面白い。事件をはさんで、後始末のようなエピソードで、徐々に小説が収束するかに見えた。終盤の種明かしは意外な方向に進んで更に面白い。現代の格差(意識)社会をうまく使って、そんなこともあるかもしれないと思わせる。
ラストで小さな真実が闇に葬られていくさまは、物語に深みを与えている。サスペンスあり、トリックあり、たくみな心理描写ありのエンタテイメントだ。