体からの刺激と発達を再確認してみよう。
★★★★☆
斎藤先生の書籍を初めて読ませていただきましたが、
確固たる信念を持ち、結果も出しながら、療育に生涯を
ささげられた斎藤先生のバックグランドと基本的な
考え方などが上手くまとめられた一冊になっているよう
に思います。
脳や体の障害の改善や回復には、体からの刺激を有効
に取り入れる方法が現在でも注目され行われていますが、
乳幼児期においては、特に健全な身体つくりの果たす
役割が大きいことを再確認できるはずです。
ただ、斎藤先生の理想とされているような育児環境は
都市部でそれを実現するもしくはしている所を探すのは
少し難しいように思うとともに、一つの信念に捕らわれ
過ぎていて少し柔らかさを実感できないように思える
部分もあったりしました。
しかし、生物/動物の進化という見方でもって、健康で
元気でのびのびした子どもに育てたいと願う親には斎藤
先生の考え方を知っておくのはとても参考になるかと
思います。
サイエンスチャンネルに斎藤先生を紹介している
番組がありました。参考になるかもしれません。
http://sc-smn.jst.go.jp/8/bangumi.asp?i_series_code=D000602&i_renban_code=027
「生物の進化に学ぶ・乳幼児期の子育て」
★★★★★
7月25日「生物の進化に学ぶ・乳幼児期の子育て」(かもがわ出版)刊行。
斎藤公子先生は1920年生まれの87歳。創設したさくら保育園、さくらんぼ保育園、第2さくら保育園を60歳のときに若手に引継いだ。その後も先生を頼ってくる障害児の保育相談や講演を続けてきた。
また、30数年にわたり、沖縄の保育を継続指導している。本書は、先生が本年5月、こばと保育園(西原町)での指導内容を中心に構成されている。
序文は、ノーベル賞候補ともいわれる日立の小泉英明フェローが保育者斎藤公子が切り拓いてきた「リズム運動」の成果について、脳科学の立場から解明している。
第1章は、親と保育者の質問に答えて。ここでは、文字を教え込む「早期英才教育」を痛烈に批判し、豊かな自然環境で育てる重要性を強調している。
第2章は、生物の進化をなぞる「リズム運動」の重要性と描画による発達診断を写真入りで解説している。この「リズム運動」は、斎藤公子保育の真髄でもあり、今もなお斎藤公子先生によって発展途上にあるということを知ってほしい。ただ、きれいに、楽しんで運動することだけではない。斎藤公子先生のリズムは、その子の発達段階に必要な内容で組み立てられている。
第3章は、斎藤公子先生の感性を育てた両親について紹介されている。
もっとも大事な乳幼児期の子育てに直面してる方々、保育関係者にぜひ読んでいただきたいと思う。