惹きこまれる仏像の世界
★★★★★
正編が最高に面白かったので続編も買いましたが、買って損はありませんでした。
あえて文句をつけるならば「仏像の色」のところで、もともとの色を再現した写真やイラストをもっとたくさん載せてくれれば6つ星でした。
全く知識がなくても読め、仏像については正編と続編で十分に足りるくらい詳しくなれますが、読めば読むほどもっと細かい、詳しいことまで知りたくなってきます。
「続々仏像のひみつ」が出版されることを願っています。
正編よりはちょっと難しいかも
★★★★☆
正編「仏像のひみつ」の4つの秘密に続く、秘密その5からその8までを収めた一冊。
子どもに語りかけるやさしいお姉さんのような語り口で、仏像の興味深い秘密を解き明かしていきます。
今回とりあげる秘密は:
正編でとりあげた如来/菩薩/明王/天といった仏像の組織のほかにも神/ヒト/動物などの像があること
仏像の着物にはソデがないこと
仏像の眼は光ること
仏像の色には金色以外にも様々な色があること
です。
仏像を金色に仕上げるには金メッキ、漆箔(しっぱく)、そして金泥(きんでい)と3種類の技法があるという話が一番興味を惹かれました。金泥は漆箔に比べるとざらついた、そしてくすんだ色合いになるようですが、そこがまた日本的な味わいがあってよいなぁと思うのです。
正編に比べるとぐっとツウ好みの内容になっている気がします。そのため、若干難しくなっているかもしれません。
日本の文化
★★★★☆
仏像のひみつの続編。その5〜その8まで。
神様が仏様や貴族の姿をしていたり、古色塗りだったり、なんとなくいい加減な感じが、ものすごく自分に身近で、笑ってしまいました。あんまり区別できていなかった仏像が、案外区別できないのも当然だったのかもなんて、ちょっと都合よくも思えました。でもこの本読んだからには、今度仏像等を見るときは、見た目にだまされなくなるかもしれませんねー。
仏像ワンダーランドへいざなう本
★★★★★
お釈迦さんには十大弟子がつきもの。その像もあって「十大弟子像」という。その名前をすべてカタカナだけで表記して紹介した仏像の本はこれまで絶無であったろう。「シャリホツ、モッケンレン、カショウ、スボダイ・・」。そのように、山本さんの『仏像のひみつ』は正続ともに意表をついた本であり、楽しい本である。
仏像を信仰の対象に拝する人、美術作品として眺める人。いろいろだ。著者は、先ずは仏像に素の気持ちで接してほしいと望んでいるのでは。それには、難しい学問的な研究、解説は秘めて、親しめる存在として紹介しよう、そう考えたのだと私は受け取って、嬉しく正続を読んでいる。
続のこの本には正の概略がはじめに紹介されているから、続から読み始めてもいい。ともかく、仏像ワンダーランドにいざなわれること間違いなしである。
イラストがまた抜群で、老若男女、容易に仏像の世界に入れる。
社会全体が浮き足立ち、うっとうしい気分に満ちている現在、仏さまたちと親しむことで生きていく力を得るようにしたい。そう望むひとが多くて仏像ブームが起きているのだろう。愚生もそのひとりで、何冊もの仏像解説本を読んでいる。しかし、この本のように、心開かれる本には出会えなかった。感謝である。