左遷、復讐、再生、そして荒野
★★★★★
大変読み応えがあった。山名は家庭を顧みず、社に滅私奉公した。それなのに、些細な理由で左遷された。家庭内には、自らの居場所は消えていた。よくある話だ。仕事をしなくても家族に呆れられるが、仕事をし過ぎると、これはこれで家族からは嫌われる。お父さんの辛い部分だ。
山名は復讐する。相手は裏側のプロだ。ところが、面白い事に、山名の方がプロよりも上手だった。この攻防にはハラハラとさせられる。最終的には、本書のタイトルは読者を裏切らない。山名は見事な再生を果たすのだが、放り出された場所は実は「荒野」だった。
サラリーマンには本書を深く共感出来るが、それ以外の方も十分に楽しめると思う。