胸にこたえる熱い情熱
★★★★★
在籍していた頃の、熱い息吹が文章からも感じ取れます。彼女の溢れんばかりの知識を皆に伝えたいと云う思いが・・(時には無茶振りも発揮していらっしゃいましたが)とにかく、ご本人の努力と計り知れない行動力でマイナスをプラスに変えてしまう力は素晴らしい。読んで欲しい!お勧めの本です。スーパーレディも1日にして成らずが良く判ります。
金持ちのウルトラ馬鹿お嬢様の成長の記録として面白い、傑作
★★★★★
著者は、バブル前に、親元からポルシェで勤め先へ通ったという。それも何台も乗り換えて。ただのお金持ちの馬鹿なお嬢様が、あるきっかけから、ワイン学校へ通い、天性の才能と努力と親の富を活かして、ワインを通じた仕事を生業とし、その挙句はフランスでワイン醸造家になるまでを描く一代記。あまりに面白くて、食事の間も、通勤で歩く間も読みふけってしまった。二度も読み返してしまった。
恐らく、相当の努力があったと思うが(何せ、ボルドー大醸造科に自費で30過ぎて留学するのだから)、そこはさらりと流されている。半端な努力ではなかった筈だが、そこは育ちの良さなのだろう、彼女の前のドアは全て自動ドアであったかのように描かれている。外国の、それも東洋の女性の醸造家ということで、いじめ、差別もあった筈だが、語られることはない。
本書を読むと、日本女性の強さを実感する。どこへ行っても、誰とでも打ち解けられ、信用されるような性格の良さ。何事も当たって砕けろの行動力。そして、もし彼女が男だったら、と思わざるを得ないような、類い稀な能力。
それにつけても、ワイナリー経営とは金がかかる。短期的なビジネスとして見た場合、全く儲からない。資本がないとやっていけない、ということが実に良く分かる。
パワフルレディー
★★★★☆
フランスのロワールでブドウ畑を買い、ワイン作りをはじめた女性の奮戦記。
次々と襲いかかるトラブルのせいか、それにも負けない本人のバイタリティのせいか、ぐいぐいと引き込まれてしまう。
ところどころ、くだけた口調になるところは知人から手紙でももらったような感じで親近感がわく。
ワインの専門知識がなくても充分面白い(まあ、ワインの話だけじゃないし)。
全体の雰囲気は『鉄腕DASH!』のDASH村に近いかな?
初めてワインを作った年は鹿にブドウを食べられ、次の年は洪水、その次の年は冷夏の被害に遭い、その次の年は苗木を失い……と災難に見舞われるのだが、ワインへの愛情と情熱で跳ね返す彼女のパワフルなこと。
なんと本文はワイン色のインクで印刷されているというこだわり。
『ワイン入門』という分野ではなく、『女性醸造家のロワール・ワイン造り奮闘記』である!!。
★★★☆☆
「フランスにブドウ畑を購入」という所がすごい。普通の人では真似出来ない。
ワインづくりの実践からワインへの情熱をユーモラスに表現した本。
ワインに恋した女性のお話
★★★★★
フランスワインが大好きで、ちょうど無農薬農法のワインに興味を持ち始めたところでした。
海外で活躍する日本女性は珍しくありませんが、フランスワインはフランスの文化です。新井順子さんの物語は本物の汗が大量に入ったたくさんのエネルギーでできています。
まず知らされることはワイン作りは地味で過酷な肉体労働だということ。そしてフランスワインが私たちの手に渡るまでの複雑な仕組みがよくわかります。
この本を読んでから、クリスタルに注がれた優美な液体を飲む時には、頑固で個性的で魅力的な作り手達のことが思い浮かぶようになりました。