スポーツには華やかな表舞台と、人に知られていない裏舞台がある。そしてスポーツの99%は裏舞台である。裏舞台だけで終わっていく人もいる。いや、ほんの少しの選ばれた物だけが表舞台に立つことが許される。そんな裏舞台には、人間くさい物語がある。その物語を見せてくれるのがこの一冊です。
超人的活躍をしているスーパースター。しかし実は彼らも悩み、躓き、悔やみながら光を浴びているのです。そんなスーパースターと自分を近づけてくれる物語が、15本収められています。
この本の中には、89年から西武とパリーグの覇権を争った頃の近鉄の物語が3本も収められています。全て素晴らしい野球の人間模様を伝えてくれました。
あの頃の近鉄に痺れていたかいくんですが、自分の目に狂いはなかったと思い返した次第です。
この本の中の話はすべてスポーツの世界とどまらない。自分の生きかたを考えるきっかけにもなり得るだろう。野茂やイチローについてのコラムもあるが、知らないスポーツ選手の話題でも十分興味深い。
残念なのは、著者がさまざまで読みにくい文章もあったこと。妙にふざけた話もあったが、その辺は読者の好みで読み飛ばしても。
ちなみにこのシリーズは三冊あるが、私は!この第二巻が好きだ。