ブログをそのまま本にしたような構成になっている。著者の好みを反映してか、遺跡や教会といった話は少なく、自然や食事に関する話題が中心となっている。ページの半分くらいは何気なく撮った感じの写真が占めており、そこから碧い海のとても美しい、かつ食材の豊かな国であることがよく伝わってくる。1ヶ月程の時間があったなら、このように肩を張らずにのんびり旅をするのもいいなあと感じさせてくれる。2年前の夏に、この本にも取り上げられているドブロヴニク, ザグレブ, スプリットなどの都市を巡る旅をしたときのこと、特に著者と同じようにロクルム島の岩場を歩いて塩分たっぷりの冷たい海に入って泳いだことを思い出し、懐かしい気分になれた。

図書館で見つけて読んだのですが、写真の美しさと作者の大桑千花さんの文章に惹かれて購入しました。

文章には、旅行のガイドブックのような詳細さはありませんが、千花さんと一緒に旅をしたような気分になれます。
(千花さんの現地のお友達や、市場の少年との交流など)
文章の量自体は多くなく、読みやすかったです。
写真が多く、デザイン重視の本です。

日常に少し疲れを感じた時など、この本を開けばクロアチアの透明な碧い海と、お日様が迎えてくれます。

写真も装丁も素敵だけれど文章が拙いのが残念でした。不特定多数の人へ旅を、異国の町を紹介するというより個人の感想の域に留まっており、なんだかブログを読んでいるみたい。食べ物の話題にしても「どのような素材をどう料理し、どう仕上がっている」という描写が不足していて、写真を見て美味しそうだと興味を惹かれても結局どんな食べ物なのか今ひとつ判らないということも。
ただ写真は本当に綺麗なのでクロアチアの風景、街並みや建物、食べ物や雑貨、人々の雰囲気をひとまず掴みたい人にはよいでしょう。

ガイドブックには載っていないクロアチアの通な情報がキレイな写真とともに載っていて素敵な本。

あくせくした駆け足ツアーではなく、のんびり旅を楽しみたい人に是非お勧め。