『解体諸因』と『謎亭論拠』のコミカライズ第2弾
★★★★☆
◆「解体守護」
高瀬千帆の家庭教師先の小宮山家で起きた奇妙な事件。
長男のお気に入りだったクマのぬいぐるみの腕が切り取られ、
長女が憧れの先輩から貰ったハンカチが消え失せてしまった……。
◆「解体譲渡」
一軒の書店で、101冊の成人雑誌を買っていった中年女性。
彼女は果たして、それらを何に使うのか?
結論よりも、「エロ本」の用途をあれこれ
大真面目に議論するプロセスが面白い。
◆「6つの箱の死体」(※「解体出途」)
トラブルメーカーの叔母から、自分の娘とその
婚約者を別れさせてほしいと頼まれたタック。
深夜、婚約者のマンションを訪れたタックは、六つの段ボール箱を運び出す、
不審な人物を目撃し、婚約者の部屋が血まみれとなっているのを目の当たり
にする……。
目撃者に心理的錯誤を起こさせるトリックが秀逸です。
◆「解体迅速」
被害者の死体は、柱をかかえ込むような格好で、
両手足に玩具の手錠を嵌められ、解体されていた。
死体の顔面や腕には地面を引きずったような擦過傷があったという……。
結構手間のかかる犯行が行われています。
今回は、とりわけ事件の背景が重いです。
※『16秒間の密室』
※『解体諸因』