あ、ちなみに他の記事はほとんど読んでません(くりぃむしちゅー特集はちょっと読んだけど)。
どうも太田書店の本は肌に合わないんだよなー。何処が嫌いなのか、何を嫌ってるのか自分でもよくわかんないんだけども。
前回と比べてわかりにくい特集だが、自宅でじっくり読んでみると前回にも劣らない、むしろ前回以上の特集であることに気づくだろう。
5月に待望の新作が放送されたものの、その内容はファンの間で賛否両論である。
いったい私たちは何を見たがっているのか、そもそも水曜どうでしょうとは何なのか?
私たちファンはそんな当たり前のことすら考えてなかった。「一生どうでしょう」という言葉を面白がっていただけだった。それが新作に対する戸惑いとなって表れていた。
そんなファンの状況を予測していたかのように、今回の特集は前半のインタビューで「今の水曜どうでしょうの姿」を。そして「“奇跡の4人”の2178日+α」で独自の視点と丁寧な観察を元に過去の6年間を解き明かしている。
4人のインタビューも興味深いが、なんといっても驚くのは「“奇跡の4人”の2178日+α」だろう。
まるでファンに対して「お前達は水曜どうでしょうが4人の成長を記録した番組という藤村Dの言葉を知りながら、本当にそれを考えて番組を観ているのか」と挑発するかのようなこの姿勢。
しかしその裏に番組やファンに対する愛情と敬意が垣間見える。なぜならこれだけの考察をしながら、すべて番組やHP、写真集などファンと同じ立場と情報から構成されていてファンの知らない裏話が一つもないからだ。誰でも手に入る情報を元にこんな文章を組み立てるのは番組だけではなくファンに対しても逃げずに正面から向かい合おうとするQJと筆者の姿勢だろう。
内容には賛否がある。しかしいまだかつて水曜どうでしょうやファンとここまで正面から向き合った記事はないし、これからも出ないと思う。
私はQJを単なるサブカル雑誌だと思っていた。そして今回痛い目にあった。
こんなに真面目に全力で水曜どうでしょうと取り組む雑誌は他にない。
ハッキリ言ってこれを読むと興味本位で取り上げる他の雑誌は読めなくなる。
どうでしょう復活での両D陣のインタビュー、大泉様&ミスター様のインタビューも読み応えありますが、この4人で旅してきた2178日+αと題して、6年間をひとつの流れとして見つめ直し、それぞれの視点から旅の詳細を追うという、QJ編集者の視点から見るどうでしょうも、そういう見方もあるのか・・・と共感できる所も多々あり、また読み応えあり、そして読んで楽し。
全Vol.52でどうでしょうを入門し、このVol.55で真髄に迫る。
2冊揃えて買いでしょう。