ただし、あくまでもStrutsの入門書的な位置づけなので、実際に活用するには別の書籍やWebから情報を集めて、事例を参考にしていく必要があると思います。
本書は題名の通りStruts入門書です。そして上記の後者に当たる本です。初めてStrutsを触る人向けに必要最小限のことを説明しています。それゆえ、読者はそれほど顔をしかめずにさくさく読み進めることができます。(本書は『マスタリング Jakarta Struts』というよりは『Overview Jakarta Struts』といった方がよいかもしれません。)
本書を以下の方に勧めます。
◆JSP/Servletを理解している方
◆Strutsは『本当に』初めてという方
Strutsを多少でも触れたことがある方には、本書はお勧めしません。(そのような方は本書の内容の不十分さと、もしかしたら憤りまでを感じてしまうかもしれません。ああ怖い。)もう少し詳細なものを手にしたほうがよいと思います。(カサレアル本かオライリー本など。)
以下、本書の読み方です。
全体をさっと読みましょう。まだ少し納得いかない場合には、第3章から第9章までを読み直しましょう。付録がいつか役立つ日が来ることを祈って、机に飾っておきましょう。これ以上のことを求めてはいけません。(Overviewなんですから。)そして次のStruts本を読みましょう。
他の方のレビューにもあるとおり、Struts 1.1 をベースに解説していながら、Validator や DynaActionForm についての記述がないのは残念。逆に、技術評論社の『Jakarta プロジェクト徹底攻略』にはない DataSource と Generic Connection を使った、Struts によるコネクションプーリングの方法やActionMappings、ActionServlet の拡張方法が記述されている点が嬉しい。また、最終章では一つのウェブアプリケーションのサンプルコードを元に解説していて、細かいノウハウを学び取ることができて良かった。
自分は技評本とこの二冊で基礎を学び、あとはウェブから情報収集している。開発スピードの速い Jakarta プロジェクトの一プロダクトの本であるから、必要なら内容が陳腐化していない今のうちに読んでおくべきだろう。
前半のサーブレットとJSPの基礎知識の部分は冗長だ。正直、サーブレットやJSPの知識が無い人がいきなり Struts に手をつける場面は考えにくい、ということで星一個マイナス。