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お言葉ですが…〈6〉イチレツランパン破裂して (文春文庫)

価格: ¥650
カテゴリ: 文庫
ブランド: 文藝春秋
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辛口評論家も切っ先が鈍ってきたか ★★★☆☆
おかしな言葉を軽いノリと重厚な知識で裁く週刊文春の名物コラムも6冊め。
どうも初期のころのような痛快さが感じられないのがさびしい所である。
著者が老齢なので体力が落ちてきたのであろうか?
取材者としての行動がないのが玉に瑕 ★★★★☆
 週刊文春誌上で掲載された文章に、後日加筆修正を加えてまとめたエッセイ集です。高島先生の日中両言語と漢字に関する知識の奥深さには常々敬服しています。ただ雑誌連載時の先生の文章は、単行本化されてから再確認すべきところがあるので危ないなと思っています。今回もその思いを強くしました。

 加筆修正のほとんどが雑誌掲載直後に寄せられる読者からの指摘に基づくものです。自らの非を認める先生の態度はとても真摯といえますが、もう少し慎重を期すれば雑誌に載せる前に誤謬を正すことができた場合が今回も散見されます。

 例えば朝日新聞が柔道選手の「篠原」の苗字を、見かけない漢字(パソコンでは漢字変換できません)で表記していることを取り上げて、いわゆる「朝日文字」を問題視していますが、実際のところこれは「朝日文字」の問題とは無関係で、同紙は「篠原」選手がこの字を使ってくれと主張していたので従ったまでだということが後日判明します。原稿執筆時に朝日新聞社へ電話一本入れて問いただすべきだったのではないでしょうか。

 また江戸時代の検屍手引書の記述に、人間は溺死体になると女はあおむけに、男はうつぶせで水に浮かぶとあるのを「ホンマかいな」と首をかしげつつ紹介しています。プロの検死官などに取材すればこれが事実であることは即座に判明したでしょう。

 高島先生は万巻の書を咀嚼することによって文章を書かれているようですが、資料の渉猟を越えて「取材」をするということには意外と無頓着な様子が文章から見て取れます。読者からの投書が先生の取材を肩代わりしているともいえます。ですからこそ読者は、雑誌連載を読んで満足するのではなく、後日加筆修正した箇所も含めて読めるこの単行本にあたる必要があります。

 なお表題にある「イチレツランパン」という言葉の意味はこの本の中では解明されていません。残念!

「正しい日本語を使おう」と熱烈に感じます ★★★★☆
「週刊文春」で長年連載している人気エッセイの単行本。
作者は、崩壊する日本語に対し怒り心頭。
先生のあまりにストレートな怒りっぷりに、
恥ずかしさや反省を通り越して、爆笑をさそうことが人気の秘密か?

連載の際に読者から送られたお便りを元に、
再考察、補足、詳細説明…が
追加されているのが単行本のお楽しみ。
有名誌での連載にも関わらず、

親密に便りをやりとりしておられる様は、
他人の家を覗き見させていただいているような
不思議な印象を受けたりもします。

一時は文章を書いて生きていこうと考えた私としましては、
単行本を読むたびに、「正しい日本語を使おう」と
熱烈に感じます。せめて高島先生に怒鳴られない程度には…

勝手に命名 ★★★★☆
 小生という言葉がいまもっとも決まっているのが高島俊男さん。ジーニストという言葉があるらしいから、そのむこうをはって、ショウセイニストとでもいいましょうか。週刊文春の一服の清涼剤といったコラムで、愛読者も多いはずだ。こうしてまとめて読んでみると、週刊誌で読むのとはまた違った印象がある。

 もともとがコラムであるから、最初から全部を読もうなどとはせず、好きなところから、それもソウダソウダというようなところから目を通すのがいい。

 食い物屋で注文をしおわると「以上ですか?」と聞かれてムッとした経験があれば、「おーい、ねえちゃん」の章を、端午の節句の「背くらべ」の歌の「はかってくれた背のたけ」を、セイのたけと歌うべきか、セエのたけと歌うべきかわからん、という人は「はかってくれた背のたけ」の章を、ちかごろ何か事件があると、教師やら校長やらがあらわれて「生徒たちに命のたいせつをさを教えたい」というが、「あれを見るたびに胸糞がわるくなる」というような人は、「ぼろぼろ」の章を、「不戦と恒久平和を誓った」というような新聞記事が軽薄だと思うような人は「不戦と恒久平和を誓った」という章を、ぜひお読み頂きますよう・・・あれ、ここは「お読み頂きますよう」じゃなくて「お読み下さいますよう」ではなかったっけ、と迷うようなときには、「お送りいただきますよう」の章をもう一度読んで勉強しなくっちゃ。
 このショウセイニスト、意外と骨っぽいですよ。