犬の性格
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コレン先生の今回のテーマは「犬の性格」。まず導入部として犬がどのような進化の過程を経て現在の犬になったかを考察する。原始人が飼いならしたオオカミが犬へと変化したという説をコレン先生は覆す。人間の食べ残しを漁ることで簡単に食物を得ることができるようになったオオカミだが、人間に危害を加える個体は殺された。人に対してフレンドリーな性格を持つ個体だけが生き残れるようになり、やがて犬という種が生まれたと言うのだ。これを裏付けるロシアの遺伝学者のキツネの選択交配実験はとても興味深い。40世代を過ぎるころには、キツネは姿形や性格までも犬に似てきたという。
さて、理想の犬とはなにか?コレン先生が考える理想の犬とは現代生活のストレスに耐えられ、感情の起伏が激しすぎず、家族同然に触れ合えて、喜んで人と共に仕事をする犬だ。犬の性格を6つのカテゴリーに分けたテストが60問載っていて、自分の犬の性格を知ることができる。結果がどうあれ、理想の犬を育てることはそれほど難しいことではない。乳児期からの適度な刺激、豊かな環境が重要であると説く。脳を活性化させるために、遊びを工夫したり、新しいことにチャレンジさせることを常に「進行形」で行うことが大切なのだそうだ。老化防止にもよいようだ。
巻末に収録された犬種別の性格リストは圧巻。テストも楽しかった。