第4巻は第30代敏達天皇から第37代斉明天皇までを収録しています。仏教受容をめぐって揺れ動く中央豪族や天皇の描写が面白いです。この結果、物部氏宗家の滅亡を招いてしまいますが。また日本史上最も研究されてきた人物、聖徳太子が登場、その活躍には注目です。推古天皇が帝位を継いだことによって《女帝の時代》が幕を開け、上宮王家の滅亡という悲劇、大化の改新、そして悪化する半島事情。半島の情勢が日本を麻布のように乱す中、斉明天皇が不審な死を…。
革命に成功しながら、いまだ安定しない古代の日本。歴史のダイナミズムが感じられて目が離せません。そして次巻、舞台は白村江へ。必読です! ……が、本音をいうと、この辺り、現代語訳本がないとツライです(泣)。
また、昨今の考古学的発見に詳しい人は、その成果が『日本書紀』の記述と一致するのを発見して驚くかも。これって、なんかうれしい。トロイア発掘みたいで。