ストーリーの宝石箱
★★★★☆
話にオチをつけるとはまさにこのこと。短いながらも、その想像力とオチで無限大の話を広がりを見せる珠玉のストーリーたち。
そしてどの物語にも人生のはかなさというか、切なさというか、そういうものがあって、ちょっと考えさせられることもあります。
長い小説は疲れるけど本は読みたいときなんかは最高の一冊です。最近、NHKでアニメ化されたりもしてました。
最初は「ちぐはぐ」ですが・・・・・・
★★★★★
これまでの星先生のショートショート集とは雰囲気が違っていて
最初は「ちぐはぐ」に思えましたが
読んでいるうちに新たなる魅力を発見いたしました。
その中でも私のお気に入りは
「いじわるな星」 際限なき人間の欲望に対する皮肉のメッセージが込められています。
「名判決」 有名な「三方一両損」を逆手に取った傑作
「凍った時間」 悲哀に満ちたラストが印象的です。
「神」 「人間の傲慢さがもたらす悲劇」がコミカルな味付けと共に
見事に表現されています。
「最高の悪事」 悪党のボスの発想力がすごいです!!!
「ネチラタ事件」 素晴らしいショートコメディーです!!!!
すき間時間に読むのに丁度いい分量である。
★★★★★
この本は、30編のバラエティに富んだ素晴らしいショート
ショート集である。
SFから、大岡裁き、シャーロック・ホームズも登場する。
すき間時間に読むのに丁度いい分量である。
中学生か高校生の時に、星新一のショートショートを読んだ。
40年振りにショートショートを読んで感じたのは、アイデア
の新鮮さと文書のうまさに圧倒された。
星新一は天才であると思った。
ショート・ショートの魅力
★★★★☆
星新一の作品を初めて読んだ。まあ読んでから知ったが、中学生の頃の英語の教科書にこの人の「おーい でてこーい」という作品が教材として載せられていた。かなり印象深かったので、いまでもその感覚ははっきりと覚えている。そういう意味では、この人の作品を読むのは初めてではない。 この本に掲載されているショート・ショートは、ほとんどバッドエンドである。実際読んで感じたのは、それであるにもかかわらず、この人のショート・ショートには底知れない魅力があるということだ。確かに、読後にいい気分はしない。もう一回読もうという意欲もすぐには湧かない。しかし、私自身、なんとも言えない人間、世の中を皮肉った表現、絶望のラストをどこかで求めている自分に気付くのだ。一つ一つ読み終わるたび感じるあの空虚感たっぷりの余韻が、限りなく私の読書欲を駆り立てる。面白い。心からそう言える。また、短い時間に読めるので、そういう点でも便利。 ただ一つ、本作の場合少しバラエティに乏しかったような気がする。
シニカルな30本
★★★★☆
1冊の文庫に30ものショートショート.
ひと作品10ページほどで,中には2-3ページというものもあります.
さすがにこれには驚きましたが,それでもしっかりと読ませてくれます.
作品はブラックユーモア,特に人間の愚かさなどを皮肉るものが多いです.
それでも,いや感じなどはいっさいなく「なるほどね」とうなることもしばし.
なのでおもしろい作品でも「くくく」という含み笑いになります.
また,SFものが多いのですが難しいものはありません.
変わったところでは歴史上の有名人たちをモチーフにした作品もあり,
ひとつひとつが短いぶん,飽きずにいろいろ楽しめるのではないでしょうか.
じっくりと腰を据えてというよりも,ちょっとした空き時間,
たとえば昼食のあとの残り時間に,というのもいいかもしれません.